盛岡タイムス Web News 2011年 8月 23日 (火)

       

■ 出荷遅延牛を買い上げへ 県が22億円余を予算化

 県は22日、肉牛の出荷制限に関する追加対策として22億6500万円の補正予算を専決処分した。出荷遅延牛を実質買い上げして、資金繰りが悪化している畜産農家の経営を支援する事業のほか、放射性物質に汚染された牧草と稲わらの処分事業費も計上。さらに国からの出荷制限に伴う検査対象の拡大に対応した事業費の増額措置を施している。

  予算措置は3事業。肉用牛肥育経営緊急支援事業費補助は岩手での出荷制限指示に伴う肥育農家の経営支援。県畜産協会が農家から出荷遅延牛を実質買い上げする支援金の原資を県が拠出する。対象牛の販売時、東京電力による賠償時に協会を通じて支援農家から返還してもらう仕組み。

  販売適期に肉牛を販売できないため、価格が下がる可能性があるほか、子牛や飼料を購入の費用を販売収入から確保することが難しくなっているため、資金を確保して再生産を可能にし経営の継続につなげる。

  価格設定は2011年度第1四半期の販売価格を基本に前年度実績も参考にしながら検討し、対象牛も月齢範囲の考え方を整理中。9月初旬には支援金の交付が開始できるよう準備を進めている。

  解除後も牛肉需要の衰退や本県での検査処理能力から、数カ月間は出荷遅延牛は続くとみており、事業が続けられる。事業費として18億300万円を計上した。

  汚染飼料に対しては、利用自粛牧草等処理円滑化事業費補助を創設。牧草は暫定許容値を超過し利用自粛要請した7市町村のうち畜産農家が関わる滝沢村と遠野市、県南の計5市町村が対象。汚染稲わらは保管している農家から運び出し埋設や焼却するための事業。どちらも原則、市町村に全額補助する。

  牧草で約2万6千d、稲わらで約600dの処分を見込んでいる。事業費は1億9400万円。

  県産牛肉安全安心確立緊急対策事業費は出荷制限の解除に求められる全戸検査、全頭検査の対象拡大に伴って放射性物質の検査委託料などを増額するもの。先の補正予算では県独自に安全・安心を確保し岩手のブランドを守るための検査スキームに対応した4100万円を措置していたが、その後の出荷制限で黒毛和種だけでなく、乳用牛として廃牛となり肉用に回されるホルスタインや役目を終えた繁殖牛をはじめ検査対象を大きく拡大したため2億6800万円を追加した。

  達増知事は記者会見で「牛の出荷検査方針の早期承認を得るべく農林水産省、厚生労働省との協議を急いでいるが、出荷制限に伴う出荷の遅延が肥育農家の経営に重大な影響を及ぼしている。解除の協議で、より徹底した飼養管理が求められているため牛の出荷制限に関する追加の対策を講じる」と専決処分による緊急措置の理由を説明した。

  併せて解除の見通しについて「(解除された)宮城で大丈夫なような仕組みを作れば他県でも大丈夫という流れの中で、政府の認める宮城と同様の計画を岩手からも出す形で政府と調整しているので、日を置かず岩手でも出荷解除になる」との見通しを示した。

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