盛岡タイムス Web News 2011年 8月 26日 (金)

       

■ 復興を誰の手に 知事選告示、4人の争い

     
  25日に告示された知事選の街頭演説に集まった有権者  
 
25日に告示された知事選の街頭演説に集まった有権者
 
  東日本大震災津波で統一地方選から延期された知事選は25日、告示された。現職1人、新人3人の無所属4人が立候補。震災から半年、本県での復旧・復興が本格化を迎える時期となり、県民に被災者支援から復旧・復興を目に見えた形で示す、向こう4年間のかじ取り役を選択する重要な選挙戦となる。候補者は、大震災からの復興が県民最大の関心事であり、最優先・最重要課題という点では共通している。選挙どころではないという被災者の受け止めもあるが、震災復興をめぐった争点が選挙戦を通じて明確になり、有権者の選挙への関心を高められるかも問われている。現職の震災対応を含めた1期の県政運営に対する評価が示される機会ともなり、変革を唱える新人と舌戦を繰り広げる。投票は9月2日に告示される県議選と同じ同11日で即日開票される。

  立候補したのは届け出順に盛岡市の会社役員芦名鉄雄氏(66)、明るい民主県政をつくる会が擁立したいわて労連議長鈴木露通氏(60)=共産推薦、再選を目指す現職達増拓也氏(47)=民主推薦、非民生の超党派で設立したいわて復興県民の会が支持母体の元県議高橋博之氏の4人。いずれも盛岡市内で選挙運動を開始し、市外へと移動していった。

  芦名氏は午前8時半からの立候補届け出のため自ら県盛岡地区合同庁舎に出向き七つ道具を受け取って加賀野の事務所に戻り、選挙カーを装備。ハンドルを握って盛岡駅前に向かい、同10時から第一声。行政に対し「民間感覚でやらなければ駄目だ。大震災の対応も遅い」と批判した。

  知事を無報酬で務めると公約を示し、「今こそ民間企業、中小企業のために尽くすべきだ。岩手から復旧復興し、一生懸命頑張れるような政策を取りたい」と訴え、支持者約30人と握手して出発。遊説途中で候補者ポスターを掲示しながら、市議選中の市内を避け岩手郡や八幡平市を回った。

  鈴木氏は午前8時半ごろ、本町通2丁目の事務所前に姿を現し、第一声の始まりを待った。9時ごろから第一声では「被災者本位の復興、未来を担う子どもたち、岩手を守るため原発ゼロを発信する知事の誕生と県政の転換を」と訴え、共産の高橋千鶴子衆院議員も駆けつけ、明るい会の渥美健三代表、小田川義和全労連事務局長らがマイクを握った。

  鈴木氏は「いのちときずなを大切に心かよう県政実現」のキャッチフレーズで戦う。暮らしの再建を最優先とした復興などを掲げ、「県の復興計画には被災地に声が届いていない。今の県政では真の復興は実現できない」と現県政を批判。県庁前で演説後に向かった一関市や平泉町で遊説を展開した。

  達増氏は約5カ月、公務では防災服を着続けたが、スーツにネクタイ姿で初日に臨んだ。午前8時から、盛岡市菜園1丁目の事務所で出陣式。再選への決意を語った。9時すぎから事務所前で第一声。民主党の菊池長右エ門県連代表代行や階猛衆院議員、推薦する連合岩手の砂金文昭会長が支持者に再選への支持を訴えた。

  達増氏は震災対応や復興計画の策定のほか1期目における県政の重要課題への対応など実績を強調。復興には「市町村と県がしっかり連携して国を動かしていく形が今、岩手にはできている」とし「もう1期、知事をやらせてほしい」と訴えた。市内を回ったあとは北上し、最後は洋野町入りし沿岸での運動をスタート。2日目から沿岸を南下する。

  高橋氏は震災後の3カ月、ボランティア活動した大槌町を第一声の場に選んだ。午前11時ごろ津波で被災した安渡地区の魚市場前、集まった約300人に向かい、マイクを持ち拡声器で訴えた。地元の被災者も応援演説。地元花巻市にも初日に入って立候補のあいさつをした。

  大槌町に先立ち午前8時から、盛岡駅前北通の事務所で必勝を祈願。8時55分から盛岡駅前で出発式に臨み「被災者から今の県政、リーダーからはエネルギーも情熱も熱意も感じられない、やる気があるのかと、現職県議だった私は何度もしかられた。自分の言葉で自分の思い、考えを県民に伝えていきたい」と約100人の支持者へ決意を示した。選挙期間中は沿岸250`の国道を歩いて縦断して演説する運動に臨む。

  任期満了に伴う知事選は統一地方選で3月24日に告示の予定だったが、大震災により県議選などとともに特例延期された。震災被害の特に大きかった東北3県の中では初の全県選挙となる。

  沿岸被災地での運動には、町長選などが行われている大槌町の運動状況や沿岸の支部などの意向を踏まえて遊説手法を見定めていくほか、選車を使わずハンドマイクで演説することなど、被災地事情を考慮した運動に気を配る。

  投票は9月11日、県内1131投票所で行われ、即日開票される。被災により本来の市町村外に避難している有権者らもいることから、不在者投票による投票を呼びかけているほか、各選挙管理委員会は有権者の所在確認に努めている。

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