盛岡タイムス Web News 2011年 8月 29日 (月)

       

■ 〈盛岡市議選開票〉現職圧勝、新人苦戦 投票率は戦後最低の48%

     
  初挑戦でトップ当選を果たし、万歳する村上貢一氏(中)  
 
初挑戦でトップ当選を果たし、万歳する村上貢一氏(中)
 

 震災の特例で延長された任期満了に伴う盛岡市議選(定数38)は28日投票が行われ、即日開票の結果、現職32人、新人6人の当選が決まった。引退6人、定数4減の中で現職34人、新人13人が立候補したが、現職の厚い壁を崩すのに新人が苦戦した。震災に伴う4カ月遅れの選挙は有権者の関心が鈍いまま幕を閉じ、投票率は48・87%と戦後初めて5割を割って過去最低を記録。投票者数が有権者の半分を切った。当選した議員には今後、議会と自らの役割、存在意義を市民に示していく努力が求められそうだ。

  落選した現職は2人だけで、前回の8人より新旧交代は小幅なものとなった。当選した新人6人のうち政党や組織、地盤を引き継いだ候補は4人。7人が落選した。女性候補は前回と同じ6人が立候補し全員が当選した。

  政党公認の当選者は共産5人、民主と公明、社民が各2人の計11人で、改選前と変化なし。無所属は政党推薦を含めて27人となった。

  ■新人は6人が当選

  新人の村上貢一氏は4千台票に載せるトップ当選で初挑戦を飾った。地元緑が丘・黒石野の商工業会の副会長として一里塚まつりなど地域活性化策に実績がある。民主県議の青年部長を長年務め、松園や高松・上田方面にも家業の米穀・燃料業を展開。市内の経営者にも人脈があり、幅広い支持を集めた。

  ほかに公明公認の池野直友氏が故・嶋貫尚氏の後継者として支持基盤をしっかり固めて上位当選を果たした。櫻裕子氏は女性の声を市政に届けると地元を中心に遊説。女性や若さで全域から票を集めた。

  宮川寿氏は引退した伊藤俊光氏を引き継ぎ、JR東労組と旧国鉄OBの支持を結集して初陣を当選で飾った。

  社民推薦の中村亨氏は元市職員として豊富な行政経験を訴え、政党と連動して堅実な戦いを見せた。佐藤千賀夫氏は2度目の挑戦。今回民主の推薦を受けず、地元玉山区を丁寧に回って支持を訴え、新人として合併後の玉山区で初めて当選を果たした。

  民主推薦の佐々木幹郎氏は次点と届かなかった。工藤健一氏は滝沢村職員を辞職して地元松園2丁目町内会の支持を受けたが届かず。藤川雄一郎氏は父・智美氏の後継。後援会組織の再構築などをし、同級生や同窓生などの支援も受けたが及ばなかった。

  ■現職陣営は安泰

  現職では、前回トップの伊達康子氏をはじめ、熊谷喜美男氏、豊村徹也氏、金沢陽介氏、遠藤政幸氏がそれぞれの支持層を手堅く固め、安定した戦いで上位に。佐々木弥一氏は都南村議から通算10回目の当選を果たした。

  前回返り咲きを果たした鈴木俊祐氏は松園地区で候補者が減った一方、近所から新人候補の切り崩しに遭ったが守り通した。高橋和夫氏は共産公認5人全員の当選が掲げられた中、見事果たした。

  千葉長進氏は若さと実績を訴えたが、震災前の引退表明とその後の対応が響いて敗れた。高橋司氏は投票率低下で若者の支持層が動かず、思わぬ足をすくわれた。

  3千票台の上位陣は前回より6人増えたが、前回の3層構造から2千票台後半の中位層が増えた。代わりに当落を争う2千票台前後の陣営が減り、投票率次第で勝敗が決した。玉山区は前回8人から3人に候補が減少したが、区内の有権者の反応が鈍く苦戦。それでも改選前より議席を一つ増やした。

  ■震災後を問う

  今回は東日本大震災の発生後、市内初の一斉選挙。震災を踏まえた被災地の支援と復興、市内経済や生活の安全安心を市政としてどう取り組むか、それに市議会がどう関わっていくか。単に市や盛岡広域圏としてだけでなく、県都としての役割や機能を問う大事な選挙となった。

  震災以降、不安定な国政や原発事故による市民生活の不安、厳しい経済情勢の加速など、今こそ政治や行政の出番だった。それなのに同日選だった市長選は現職が無投票であっさり3選。市議選がいつもと違う時期、盆休み明けという事情もあり、市民、有権者の関心は最後まで低調だった。

  投票率5割を切った中で、当選した38人は内向きな議会改革だけでなく、自らの仕事や役割を市民に向かって伝える努力が必要だ。改めて市政における市議会の存在意義が問われている。

  同日の有権者数は男10万9887人 女12万6753人の計23万6640人。


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