盛岡タイムス Web News 2011年 10月 13日 (木)

       

■ 米粉冷麺を開発へ 兼平製麺が営農組合と特別栽培米の栽培契約

     
  麺の製造に向けた米粉用米の初収穫を見守る関係者  
 
麺の製造に向けた米粉用米の初収穫を見守る関係者
 
  盛岡市川目の兼平製麺所(兼平俊助代表取締役)は、同市下飯岡の都南地域営農組合(才川一夫組合長、組合員889人)と米粉用米の生産出荷契約を取り交わし、米粉麺の製造を始める。原料となるのは同組合が減農薬で特別栽培した「ひとめぼれ」。関係者が見守る中で2011年度の米粉用米の稲刈りが12日、同市下飯岡の水田で行われた。

  同社では農林水産省の農山漁村活性化プロジェクト交付金を活用して同市川目の盛岡中央工業団地に米粉麺の加工工場を増設し、12年2月の完成を目指す。工場では米粉用米を使用して冷麺、じゃじゃ麺、うどんなどの麺類の製造を予定する。同3月から製品販売を見込む。

  米粉用米を使用することで小麦の価格上昇などの影響を受けずに、原材料を安定的に入手できる。麺にした際も米粉独特のもちもちとした食感が楽しめるほか、小麦製品などと異なるラインで生産することでアレルギーにも配慮した製品製造が可能という。米どころ岩手の特別栽培米使用、常温で長期間保存できる製品を売りに首都圏での販売も考えている。

  同社の兼平賀章専務は「5年後には520dまで生産を上げてもらいたい。この事業が順調に進むと穀物自給率が520d分上がる。今、国が進めている自給率向上にもつながる。農家の所得が増えるとその分消費にもお金が回り景気回復になる」と農家、企業の両方にメリットのある事業を歓迎。来月の同市の農業まつりで試作品を市民に提供する。

  同組合では11年度は50fで米粉用米250dを栽培した。5年後には520dまで生産を拡大する計画。生産した米粉用米は1`35円で兼平製麺所に販売するほか、11年産米からは農業者戸別所得補償制度において水田活用の戦略作物に位置づけられていることから農家に10e当たり8万円の交付金が支給される。これによって収入は主食用米に近くなるほか、ソバや麦など他の転作作物に比べても所得の向上が見込めるという。

  才川組合長は「この米粉用米は兼平製麺所を通じて消費者に届けるということなので、丁寧に安全に品質を高めて供給し、消費者の皆さんにぜひ利用してもらい、米の消費拡大に協力できれば」と話した。

  農作物の価格低迷、農業従事者の減少と高齢化が進む中、担い手不足が深刻化していることから、今後もこの状況が続くと水田の耕作放棄地の増加が懸念される。

  同市では都南地区活性化計画で、地区内の3月末現在の農業就業人口3374人を15年度の計画完了時まで各年度1%台の減少率に抑制することを目標としている。

  市は開会中の盛岡市議会10月定例会に農山漁村活性化プロジェクト交付金の関連議案として2億1066万円を計上している。

  市農林部農政課の藤本耕也主査は「米粉用米はいわゆる転作作物で生産調整の達成のためにも非常に有効な取り組み。5年後には倍以上の作付けの取り組みを目指すと聞く。これからも安定した生産供給のために継続できることを願う」と新たな取り組みに期待する。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします