盛岡タイムス Web News 2011年 10月 17日 (月)

       

■ 浮き上がった連携の重要性 盛岡市総合防災訓練でトリアージ

     
  倒壊建物からの救出、救護、搬送を通して訓練する自主防災隊員ら  
 
倒壊建物からの救出、救護、搬送を通して訓練する自主防災隊員ら
 
  盛岡市の2011年度総合防災訓練は16日、市立大新小学校を主会場に行われた。青山、東・西厨川地区の自主防災会や地域住民を含む43機関、約2500人が震度6弱の地震を想定して66項目にわたる訓練をした。3・11の東日本大震災津波で最大震度5弱あった地震のことを思い出しながら、再び巨大地震が襲うと想定して実践的に展開した。

  訓練は大新小、隣接する市西部公民館、国立病院機構盛岡病院や地区内の街路などで行われた。震災後初の総合防災訓練では青山地区の自主防災会から12、東厨川から7、西厨川から2の計21自主防災隊、大新小児童ら地域の子どもや保護者が多数参加。体験型、参加型の訓練項目が設けられた。

  大新小校庭では、自主防災隊員による倒壊建物から傷病者の救出、救護、医療班のいるテントへ搬送するまでの訓練が初めて行われた。消防、自衛隊は倒壊建物の撤去、災害救助犬による同建物からの傷病者救助、搬送の訓練もあった。

  自主防災隊は5人1班編制で三つの訓練項目を分担。消防署員の指導を受け、ジャッキなど資機材を使って倒壊建物から市消防団員扮(ふん)する傷病者を救出した。救護ではタオルや厚手の段ボールなどで骨折などの応急手当てをした。

  青山四丁目自主防災隊の川瀬武会長(83)は「今回初めて一連の流れを体験することができた。救出では建物の下敷きになった方に声を掛けて安否確認しながらやるなど手順を勉強できた。実際は訓練以上の想定外のことが起きるだろうが、応用できるようにしたい」と話していた。

  救出・救護、搬送の訓練ではいずれも市医師会、県立中央病院、日赤によるトリアージ(傷病者の優先順位付け)まで一連の訓練も初めて連携して行われた。盛岡病院では消防団員50人を負傷者役に、一度に多数の負傷者が運び込まれた場合の受け入れ訓練が市医師会と行われた。

  市医師会の工藤卓次理事は大新小でのトリアージ訓練に参加。「総合病院、開業医、消防や警察など関係機関と合同で訓練をし、改めて連携の必要性が分かった。実際にはトリアージの設置場所がどこになるか分からなかったし、災害が起きれば設置場所への参集自体が課題になるだろう。各機関とも意見交換でき、課題を今後発生する災害に生かすためにも、成果があった」と説明する。

  谷藤裕明市長は閉会で「相互の協力体制の確立、市民の防災意識を高めてもらおうと実践的かつ包括的に行った。震災では市内も建物倒壊や全域の停電、物資不足など混乱を生じた。台風12号は日本各地に甚大な被害をもたらした。災害への備えは行政、民間、地域が協働で取り組む必要性がますます大切になっている」と、訓練を通じた防災対策の徹底に期待した。


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