盛岡タイムス Web News 2011年 10月 26日 (水)

       

■ 古里言葉が心を癒す もりおか復興支援センターで同郷人お茶会

 もりおか復興支援センターのお茶っこ飲み会が、東日本大震災津波で沿岸部から盛岡市に避難している人の交流の場になっている。参加者の同郷の人と話す機会がほしいとの要望を受け、同センターでは市町村ごとの開催を決定。25日は宮古市から避難している市民約10人が集まり、交流を深めた。

 菓子や漬物を囲み、お茶を飲みながらの約1時間の会では、盛岡に来てからの生活、住んでいた地域の話などが話題に上った。鍬ケ崎、津軽石、赤前、田老と住んでいた地域は違っても「宮古弁を聞いていると懐かしい」と久しぶりに聞く郷里の言葉に自然と参加者にも笑みがこぼれた。

  「家は何とか残ったが2階まで駄目で」「どこに逃げましたか」「宮古の情報が全然ない」「息子には内陸に残ってくれと言われる」。同じ境遇の参加者同士、震災当時の話や今後の生活の不安なども口をついて出た。

  宮古市田老から息子の暮らす盛岡市小鳥沢に避難している柿崎和昭さん(83)は、同じ田老出身者や小学校教員時代の児童と再会した。「昔、先生をしていたのでそのご縁で久しぶりに行き会った。来て良かった。何十年ぶりだからね。こんなにいろいろ話し合いができると予想していなかった」と思わぬ出会いを喜んだ。

  最初の自己紹介で「津波で家内を亡くした。怒る人がいなくなったと思ったら、寂しくて存在を改めて感じた」と話した柿崎さん。参加者との懇談が始まると終始笑顔を見せていた。「こちらでは人との出会いがないので、こういう機会は非常に貴重。何より田老弁で話せるのがうれしかった」と交流を通じて元気をもらったようだった。

  同センターでは8月末から被災者の交流の機会としてお茶っこ飲み会を開催してきた。現在は毎回15人程が参加し、そこから囲碁や折り紙サロンといった新たなつながりもできた。一方で、まだまだ市内に避難していてもお茶っこ飲み会の存在を知らない人も多い。

  相談員として参加している同センターの澤田貴子さんは「沿岸の仮設に住んでいる方も大変だが、何らかの形で近所や親戚などのつながりがあることが多い。盛岡に来た方は2、3カ月ずっと外に出なかった方もいる。出てこられるきっかけをつくろうと始めた。なくしたものの重みはみんなそれぞれ違うのでひとくくりにはできない。1人でも2人でも必要としている方がいれば続けていきたい」と話す。

  お茶っこ飲み会は毎週土曜日の午前10時30分〜同11時30分まで同市内丸のもりおか復興支援センター1階で開催している。毎週火曜日は同10時〜同11時30分まで盛岡市社会福祉協議会主催のものが開催される。

  今月は26日に山田町(同10時30分〜同11時30分)、27日に大槌町(同)、釜石市(午後2時〜同3時)、28日に大船渡市(午前10時30分〜同11時30分)、陸前高田市(午後2時〜同3時)、29日に洋野町・久慈市・普代村・田野畑村・宮城県・福島県(午前10時30分〜同11時30分)と市町村ごとの開催も実施。問い合わせは同センター(電話654|3521)。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします