盛岡タイムス Web News 2011年 10月 28日 (金)

       

■ 〈胡堂の青春育んだ書簡群〜学友たちの手紙〉48 五山君のラバーはすこぶる

 ■猪川浩
  78 巻紙 明治35年5月6日付(つづき3)
 
浮世談=宮川君と五山君。宮川君はさっぱり来玉はず、いつか御合ひ申さば恨みいってやろうと存じ居り候、それが恐ろしさに来玉はぬにや、五山君のラバーは頗る健在なり、先きの日公園の祭典にてその人なりとて教られぬ、チヨト丸ほちやな可愛らしい處のある女性なり、これがあんな大膽な事を言ふかと思った所が恐ろしくなり申し候、五山君が折角のろけたも無理ハなかろうと自分は羨やんだ位やいてたやいた、これこそ五山君御耳に達したら大変、いふまいぞいふまいぞ、五山君いつまでもハイカラのキザ男なり、大分會堂の女性誰れ彼れにもてたも無理ならず、

キ(箕)人とラバー。安かれ兄よ予はラバーといふラバーを持ちたるためしなし、兄等が深く予をいましめ玉はるは有難き事云ふまでもなし、然れども盗人せぬものに盗人するなと言はヾ心よかるまじ、察し玉へ、されど却って高橋といふ人あったぢゃないかなど言はれたらんにハ予は只苦笑するの外なかるべし、僕のお母さんの位な恋人、予は何するものぞ而して彼れ今盛岡にあらず家に帰りて眞面目に家政採るとかいって居たり。

秋皎と金太=摂氏の沸騰点に達したるもの、金太とは藝者の名なり、これは眞なりとまんじめに證明するものあり、新聞にまであげられたり、何んでも下村連中と遊んだから怪しいもの、いつまでも我ギでないと世の人々が噂とりとり他言御無用眞なり、思ふて自分が居る事なり、

虎とセンレイ=然も四月十九日の午後四時頃中津川に於て受洗す、そのバヂが当りて平といふ村に出張を命ぜられたり、とんが笑って居るものなり、

大谷紫好一座=紫好を初めとし虫十郎といふ男猿之亟、、比翼など来り、盛にやれり、紫好鼡小僧ナントモカントモヤレナァクレァ面白かりき、五月一日開場徳丸は十四五に成りたれば一人前になりてやるものなり、女形なると別嬪どこか小児で未だわからず、この年頃は一番困る年頃なり、

運動会=五月十三日記念日にやるつもり、新聞は相不変出すから早速差上ましょう、校友会雑誌の方も自分の方へ来た様子なれど予は佐々木友君など石川君などのある中ヘバ出たくなきものなり、理事は御免蒙ろうかと存じ居り候、

新聞=病院に三郎か居れば皆三郎へ新聞をやって置けば三郎から兄へ差上げる事なるべし、病人の事なればしそんじは茂座にも御容謝、予も度々行きて注意する事あるべしと雖も、
招魂社祭典=半開の中に学生か唱和など見事なりき、今年は不意の寒気の為め花候の一週間も遅れたれば今現在が満開なり、封入して盛岡の花送り申すべく候、桜山神社の祭典も近きにあり、東京より耻やかなるべし、
  (つづきがあります)


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