盛岡タイムス Web News 2011年 11月 2日 (水)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉293 八木淳一郎 木星の輝き

     
   秋の日の木星。左側に衛星らしき影が映り込んでいる。2010年11月21日午後6時撮影。PENTAX20a屈折式望遠鏡、口径20a、F12、接眼レンズ24_による拡大撮影。カメラはWATEC232Sで撮影した映像をキャプチャーし、12枚をコンポジット処理。撮影地は盛岡市上田、盛岡一高天文台。撮影者は盛岡一高天文部  
   秋の日の木星。左側に衛星らしき影が映り込んでいる。2010年11月21日午後6時撮影。PENTAX20a屈折式望遠鏡、口径20a、F12、接眼レンズ24_による拡大撮影。カメラはWATEC232Sで撮影した映像をキャプチャーし、12枚をコンポジット処理。撮影地は盛岡市上田、盛岡一高天文台。撮影者は盛岡一高天文部  
  このところ天気に恵まれない日々が続いています。その分、晴れた夜などは、東の空の木星の神々しいばかりの光に圧倒され、ゆるんだ気持ちもいっときひき締まります。木星の輝きによって周りの星座の星々の光が消されてしまって見えにくいのですが、このあたりの星座はもともと暗い星ばかりですからなおさらです。

  木星のあるところはおひつじ座ですが、星占いなどからもおなじみの星座です。

  しかし、実際に見たことのある人は少ないかもしれません。ギリシャ神話に登場する羊は空を飛び、しかも金色の毛をしているのですが、その割に星座そのものは地味な存在です。物語は冒険に満ちた壮大なものとなっていますので、ことにも、おひつじ座生まれの方は秋の夜長に神話に親しんでみてはいかがでしょう。

  ところで筆者は、先日の晴れ間に大きな望遠鏡で木星を見る機会を得ました。400倍という高い倍率をかけてみますと、木星の南半球と北半球にそれぞれ木星の赤道に近いところから赤道縞、温帯縞と呼ばれる教本の縞模様があり、北赤道縞の方には暗斑と呼ばれる真っ黒な斑点が出現しておりました。

  また、南半球の側には有名な大赤斑と、これをふちどる赤斑孔とが見えていました。縞模様は一様ではなく、濃淡入り乱れ、小さな斑点状の模様の集合を思わせる構造です。

  木星の周りにはたくさんの衛星がめぐっていますが、それらのうちの4つはガリレオ衛星といって、望遠鏡で見ることができます。

  タイミングが良ければ、そのうちの一つが木星の表面を通過している姿や、衛星の影がホクロのように木星の表面に黒い模様を落としていたりする魅力的な光景に遭遇します。

  多くの盛岡の市民や子どもたちが、こうした天体の神秘と美の姿を目にすることのできる天文台が、遠からずできると期待されています。

  そのあかつきには、沿岸の子どもたちと盛岡の子どもたちとが星空の下で宇宙や未来や科学を語り合う、交歓会を催したいものです。

  このような場を通じて、教科書の通り一遍の知識とは違い、本当の自然の姿を自分の目で確かめることの大切さを学ぶでしょう。何より、本物に接してこそ得られる感動が科学する心と夢を育むのです。

  いたましい自然災害や原発事故を体験した子どもたちが、未来をどのように切り開いていくのか。

  そのために子どもたちに何をしてあげるべきか。大人の責任は本当に重大です。
(盛岡天文同好会会員)


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