盛岡タイムス Web News 2011年 11月 10日 (木)

       

■ 大槌町の被災酒蔵が盛岡の「桜顔」で酒造り 「浜娘」復活へ意気込む

     
   清酒「浜娘」の醸造に再起をかける赤武酒造の古舘秀峰社長(左)と応援する桜顔酒造の工藤明社長  
   清酒「浜娘」の醸造に再起をかける赤武酒造の古舘秀峰社長(左)と応援する桜顔酒造の工藤明社長  
  東日本大震災で酒蔵を流失し、盛岡市で再起を図っている大槌町の赤武酒造(古舘秀峰社長)は盛岡市川目町の桜顔酒造(工藤明社長)で新酒造りを開始した。来月中旬から来春にかけ、看板清酒「浜娘」の純米酒、大吟醸など5種類、5万g(一升瓶に換算すると約3万本)を出荷する。「浜娘」は自分の娘同様に育て、復興への意気込みを広く発信していきたいという。

  赤武酒造は7月に被災事業者が無償で貸りられる盛岡市新事業創出センター(同市飯岡新田)の貸し工場に入居。8月からオリジナルリキュールの「リカースイーツシリーズ」の製造を開始した。リカースイーツの販売に力を入れる一方、看板商品だった清酒「浜娘」の醸造も何とか再開したいと市内の酒蔵を回って交渉。その熱い思いを工藤社長が受け入れた。

  桜顔酒造が専用タンクを準備し赤武酒造の仕様で醸造する。古舘社長ら赤武酒造の従業員4人は毎日、桜顔酒造の酒蔵に通い、桜顔の杜氏らと酒造りに励んでいる。5日午前も蒸し上がった米と麹菌を均等に混ぜ合わせ、酒母を造る作業が行われた。

  本来、酒の出来を競い合う二つの酒蔵の従業員が一緒に仕事をする環境。お互い戸惑いがなかったわけではないが、工藤社長は「せめてこれぐらいは役に立ちたい。最盛期の半分になったとも言われる日本酒業界。一緒に盛り上げていかなければ」とエールを送る。古舘社長は「本当に感謝している。うれしさでいっぱい。いいもんですよ酒造りは」と酒蔵で働ける喜びをかみしめる。

  先行発売したリカースイーツの売れ行きは好調だ。しかし、酒造メーカーとして事業全体を軌道に乗せていくまでには「さらにたくさんのハードルを越えなければならない」と古舘社長。「正直言って復興という言葉はまだまだ遠い。でもスタートラインには立った。これを足掛かりに頑張らなければ」と踏ん張る。

  浜娘の一番搾りは12月15日ごろの店頭発売を予定。問い合わせは同社(電話019−681−8895)。


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