盛岡タイムス Web News 2011年 11月 11日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉74 草野悟 秋晴れの復興祈願

     
   
     
  三陸鉄道宮古駅から3駅目に「佐羽根駅」があります。その駅の隣に「悠々亭」があります。沿岸の部落とは思えないくらい「山奥の山奥」って感じです。

  10月17日、秋晴れの素晴らしい天候の中、悠々亭のおやじさんが復興祈願秋まつりを開きました。大きな復興イベント真っ盛りの中、部落の人たちの小さく温かい手作りのイベントです。これが本当の田舎なんだあ、と叫んでしまいたくなるホッとするお祭りでした。

  悠々亭は、すべて自然の食材を使った料理店です。熊や鹿、ヤマメやマツタケ、天然マイタケなど実に山、川の幸ばかりのメニューで私のお気に入りのところです。

  部落のおばあちゃんたちが取れたての野菜や栗を並べ、どれも1袋100円。ぎょっとするボリュームと価格です。悠々亭のおやじさんは、熊汁や鹿汁を作り、妹さんがかぼちゃのパウンドケーキを作りました。販売金額はすべて義援金となります。

  「何か手伝いたくて」とおやじさん。すてきな心意気です。この日は、娘さんが嫁いだ被災地津軽石から津軽石伝統さんさのご一行が花を添えてくれました。

  小学生の踊り手さんや手つき、腰つきの妖艶なお姉さん、昔20歳だった60超えのおばあさんやらたくさんのさんさの会の方々が奉納踊りをしてくれました。時折風に舞う赤や黄色の枯れ葉が幻想的な雰囲気を醸し出しておりました。

  それはそうと、わたしの目的の一つ熊汁は、臭いや癖が全くないおやじさん自慢の鍋なんですが、30分遅く到着したものですべて完売。部落の司会のおじさんが「はい、熊汁は完売、あとは鹿汁を楽しんでねえ」とマイクで叫んでいます。

  仕方なく鹿汁をいただきました。ところがこれがもう大満足。上質な背脂がたっぷりと浸み込んだ野菜の数々。歯ごたえ十分な鹿肉。さわやかな秋晴れ、もう大満足です。おやじさんからいただいたマツタケご飯を交互に口に運び、加山雄三さんっぽく「幸せだなあ」とつぶやきました。実にうまかった。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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