盛岡タイムス Web News 2011年 11月 12日 (土)

       

■ 〈昆虫パワーをあなたにも〉13 鈴木幸一 八戸市のまゆの里づくり協議会

 何度八戸市に通い続けたでしょうか。

  現在八戸市の養蚕農家は1軒のみです。それでも有志のまゆの里づくり協議会のメンバーの方々は、20〜30人ぐらいの少人数でも、市会議員さんを会長に現役を退職した方々、主婦の方々、NPOのサポーターが集まり、岩手のように桑食文化とか養蚕のイノベーションを熱心に進めています。

  桑茶加工設備がないために、周辺の桑を集めて北上市の更木ふるさと興社まで運び、「南部八戸桑茶」を製造しています。自分たちの桑茶製造まではかなったのですが、肝心要の桑茶加工は委託のままです。産地は南部八戸市ですが、製造設備を持ち合わせていないために、企業として雇用を生み出すような大きな飛躍は足踏み状態です。

  今回(11月7日開催)の桑資源活用フォーラムはこれまでの集まりとは異なっており、桑茶の普及のみならず、桑粉末を活用した和菓子の種類と桑入りカレーには驚きました。まさに北上市の更木女性の会の再現です。

  男性グループは机上の空論に陥りやすいのですが、更木地区も八戸市の女性グループも、具体的なものを作り出しています。昨年の第1回更木桑茶・新茶まつりでは、B級桑グルメコンテストが開催され、多彩な料理が出展されていました。

  とうとう八戸市では、プロの手で「桑入りカレー」まで登場しました。これは探し求めていた究極の料理のひとつです。すなわち、カレー粉はスパイシーの宝庫で脳の血流の増進や免疫力の向上に作用する機能が明らかにされています。これに桑の効用である糖の吸収阻害(糖尿病の予防)、動脈硬化の予防、脳機能の向上やアンチエイジングが組み合わさることで、スーパー健康食品になるわけです。

  世界で一番おいしいカレーは母親の手作りなそうです。いくらカレー作りに挑戦してもいまだに母親のものに近づくことはできません。しかし、20種類のスパイシーからなるカレーに桑素材(桑粉末と桑の実)を加えたものを口にした瞬間、母親を超え健康カレーの究極のものに出会った味わいでした。

  北上市から八戸市へ桑食文化が着実に連鎖する兆しで、健康寿命の延長と共に経済効果が出てくるようであれば大成功です。パネルディスカッションで会場から桑茶の女性大ファンが発言していました。「体重が5`減少し、トイレでは大用飛び込む水の音」と。(岩手大学地域連携推進センター長)


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