盛岡タイムス Web News 2011年 11月 16日 (水)

       

■ 〈東日本大震災〉感謝の気持ちが出合うとき 遠野まごころネットが被災者交流会

     
  毎朝、ボランティアもしているという「ラジオ体操」。交流会の参加者全員で体を動かした  
  毎朝、ボランティアもしているという「ラジオ体操」。交流会の参加者全員で体を動かした  
  遠野市を拠点に沿岸被災地の支援活動を続けているボランティア団体、遠野まごころネットは13日、ボランティアが生活している遠野総合福祉センターに、被災者を招き交流会を開いた。被災者同士の親睦を図り、ボランティアの活動についても知ってもらおうと初めて企画した。全国や海外から自主的に集まっているボランティアは現在、ピークだった5月のゴールデンウイークの3分の1以下に減少しており、継続的な支援活動の必要性もアピールした。

  交流会には大槌町や釜石市、大船渡市、陸前高田市、遠野市などに暮らす被災者ら100人以上が参加した。マイクロバスの送迎で会場に。ボランティアと一緒にラジオ体操で体をほぐしたあと、センター内の様子を見学した。

  ボランティアは年代も活動期間もさまざま。体育館に一人一枚の畳を敷いて寝泊まりし、毎夕のミーティングで、その日の活動の担当を決めて被災地へ向かう。ボランティアの生活の様子を見聞きした陸前高田市の村上ミツ子さん(73)は「ありがたいですね。ごくろうさまです」と感謝した。

  センター前には、きりたんぽや焼きそば、焼き鳥などの露店を設営。心身の疲れを癒やすために普段の活動の中でも取り入れている「足湯」や「タッピングタッチ」のサービスも行われた。東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーや、大槌町の音楽ユニット和美東の演奏会も開かれ、被災者らがゆったりと耳を傾けた。

  釜石市で被災し、遠野市の仮設住宅で暮らす平野タツさん(66)はヒノキの香りが漂う湯で足を温めてもらいながら、肩や手のマッサージを受けた。平野さんは若いボランティアと和やかに話し合いながら「夫の世話があるので、なかなか自分の時間が取れない。至福の時です」と喜んだ。

  福岡県福岡市から4泊5日の日程でボランティアに訪れた平野裕二さん(20)=西南学院大2年=は、地元では公園を訪れる人と対話し、受けた印象で詩を作りカードに書いて渡しているという。「ボランティアを通して自分が成長させてもらっている。良いことも、悪いことも、今の自分をつくってくれているもの。すべてのものに感謝という気持ちを被災した方々にも伝えたい」と話した。

  遠野まごころネットによると、被災地ではがれきの撤去作業や物資支援のほか、仮設住宅団地でのお茶会、傾聴、農園作り、イベントの手伝いなど多岐にわたるボランティアのニーズがある。

  同センターを拠点にしているボランティアは5月の連休には600人を超えていたが、最近は200人弱に減っている。人手が欲しい活動はまだあり、多くの人の協力を求めている。

  遠野まごころネットの荒川栄悦副代表は「被災者は仮設住宅などに移ったが、仕事が見つからないなど生活再建への悩みは大きい。悩んでいる方に寄り添ういろいろなケアが必要だ。継続した支援の仕組みを作らなければ」と話す。

  交流会を中心になって企画したボランティアの西岡公明さん(44)は「ボランティアにはまだ多くのニーズがある。たくさんの人に来てもらいたい」と呼び掛けていた。
(馬場恵)

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