盛岡タイムス Web News 2012年 1月 11日 (水)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉298 八木淳一郎 初春の星空の共演

     
  「金星が輝く夕べ」晴れた日の夕方に岩山に登ると、きらびやかな夕景色に出会える。一番星は南西の空に光る金星だ(1月9日午後5時)  
  「金星が輝く夕べ」晴れた日の夕方に岩山に登ると、きらびやかな夕景色に出会える。一番星は南西の空に光る金星だ(1月9日午後5時)  
  昨年12月22日に冬至を迎えたばかりですから今の時期はまだ日の暮れるのも早く、日没は午後4時半頃です。また日の出も午前7時前後と遅めで、それだけに長い時間、星空を堪能できることになります。寒さは厳しいのですが−。

  帰宅途中の西空に、ひと際明るく輝く星があるのに多くの方がお気づきと思います。宵の明星、金星です。これから3月、4月と、日を追って西の空高く上がるようになり、女神ヴィーナスの西洋名を持つ金星の美しい輝きは、疲れた身体をちょっぴり癒やしてくれるに違いありません。

  5月からは次第に高度を下げ、金星は太陽の近くに移動していきます。そして、6月6日、地球と金星、太陽が一直線に並ぶように位置します。

  このとき、金星が太陽の表面を通過する「日面通過」という現象が起こり、ほぼ、日本国中で見ることができます。ただし、望遠鏡や双眼鏡をじかにのぞくと太陽の強い光と熱で目を焼いてしまいますから、特殊な装備のもとで見なくてはなりません。

  朝の7時過ぎに始まって、午後1時40分頃終了しますが、近くの公共天文台などに出向いてご覧になることをおすすめします。

  次回の金星の日面通過は105年後の西暦2117年。ですから、今回が私たちにとって最後のチャンスということになります。6月6日を境に、金星は太陽の西側に移り、その後は明けの明星として明け方の東の空に輝きます。

  さて、目を天頂付近に転じてみましょう。やや西の方角にこれまた明るく輝く星があります。真夜中の明星とも呼ばれる木星です。

  木星は地球の11倍もある太陽系最大の惑星で、望遠鏡を使えば模様の細かな様子を観察することができます。微妙に変化する縞模様や大赤斑と呼ばれる模様など実に神秘的です。

  今年の7月15日には木星食といって、木星が月齢25の月に隠される現象があります。ただし、起こる時間帯が午後1時から2時頃と日中のことですので、明るい空を背景にしていてコントラストが悪く、ある程度大きな望遠鏡が必要になります。やはり公共天文台を訪れるのがいいかもしれません。

  夜半近くには、東の空にししやおとめ、といった春の星座が顔を出しています。そして、そこに赤い色をした星の光があるのを目にするでしょう。2年2カ月ぶりの小接近となる火星です。

  火星は毎日少しずつ、おとめ座からしし座の方へと移動していきます。最も近づく3月には今よりも早い時間に見ることができますので、天文台の大きな望遠鏡で白く輝く極冠や、濃い緑がかった色調の模様を見てみたいものです。

  木星が西の地平に沈むと、夜半から未明にかけて少しずつ高くなっていく火星が主役の座につきます。しかし、天界一の人気者を誇る土星が、そうはさせじとばかりに東の空に登場してきます。
(盛岡天文同好会会員)


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