盛岡タイムス Web News 2012年 1月 24日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉299 八木淳一郎 月と金星のランデブー

     
  月夜の岩手山。月夜は人が思うよりも明るい  
 
月夜の岩手山。月夜は人が思うよりも明るい
 
  今月の27日は、夕方の西空に注目してみましょう。きっと多くの方々が、おおっ、という感じで美しい夕暮れに目を奪われるに違いありません。宵の明星である金星と細い4日月とが並んでいる絵のような光景に、思わず目をその月くらいに細めるのでは。満月などの明るい月の光は、目に「つき」ささるようですが、この夜の月の光の何と優しいことでしょう。

  一方の金星は、ダイヤなどの宝石のような情熱的な輝きで、その上、神々しくさえあります。しかも金星に望遠鏡を向けてみますと、まるでそばに寄り添っている月と同じような欠け具合をしていて、これまた一興です。

  月も金星も太陽の光を受けて輝いているのですが、この日はたまたま二つとも私たちから見て太陽との位置関係が同じようなために、大きさこそ違え、形がそっくりです。

  月の満ち欠けといえば、毎日の月の形が描かれたカレンダーや、時計でもその日その日の月の姿が現れる優れものもあります。星を見る人にとっては、月の光が妨げになることがあり、月齢やいつごろ月が上ってくるのか前もって知っておく必要があります。もちろん月そのものの観測をする上でも大切なことです。

  いずれにしても、満月は星の光をほとんど消してしまいますから、そんな夜は大概星の観測はお休みです。プラネタリウムの投影でも月の光に邪魔されることがあります。プラネタリウムの場合は「お月様にはちょっとの間遠慮していただいて…」などと、スイッチ一つで都合良く消えてもらえるからいいのですが。

  さてそこで、今宵の月はどんなのかな?ということがとっさに分かれば便利なことは言うまでもありません。ではその方法を。

  その年によって違うのですが、今年は2月までは定数6を、3月からは5をその月の数値と日にちの数値の合計に足せばいいのです。合計が30をオーバーした時は30を引きます。

  例えば1月27日は1+27+6で34。30を引いて4ですから月齢4となります。4月1日は4+1+5で月齢は10です。大ざっぱな方法ですからプラスマイナス1位の誤差はあります。

  ついでながら、その日の月が何時ころどこに見えるのかを知る方法です。月齢に0・8を掛けてみましょう。

  例えば満月は月齢15で、15×0・8=12です。この数値がその日のお月様の南中(真南に位置する)する時刻です。

  ただし簡略的な計算方法ですし、夜中の12時なのか昼間の12時なのかはそのつど判断する必要があります。満月ですから12は夜中の0時を意味しています。

  では月齢4ではどうでしょう。4×0・8=3・2、すなわち午後3時ごろ南中することが分かります。東の空に上ってくるのはこれより6時間前の午前9時ころ。西の地平に沈むのは6時間後の午後9時ころということになります。

  こうして、まずは南中時刻さえ分かればどのような形の月が何時ころどの方角にあるのかの見当をつけることができます。このたびの月と金星のランデブーを見るときの参考にどうぞ。それと、絵を描かれる方にも多少なりともお役に立つのでは…。
(盛岡天文同好会会員) 

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