盛岡タイムス Web News 2012年 1月 25日 (水)

       

■ 大正蔵も「独り立ち」困難 盛岡市補修で壁に補強用の鉄骨

     
  盛岡市が示した大正蔵の鉄骨補強によるイメージ図  
 
盛岡市が示した大正蔵の鉄骨補強によるイメージ図
 
  盛岡市は、活用策を検討中の酒造会社岩手川鉈屋町工場跡の歴史的建造物群で、大正蔵と文庫蔵の補修を行う。昨年11月に大幅耐震改修の考えを示した市指定保存建造物の「浜藤の酒蔵」に続き、老朽化による耐震性、安全性を考慮。浜藤と異なり土蔵としての屋根土や壁土を生かすことができるという。24日の活用検討懇話会で概要が示された。

  補修案作成に携わる腰原幹雄東京大学生産技術研究所准教授によると、壁に鉄骨のブレース(斜め材)を張り、一部は壁に鉄骨を立て掛けるように補強する。この方法を採用しないと必要な耐力に達しないと説明した。

  浜藤の酒蔵の耐震改修については現在の土塗り壁、屋根の葺(ふ)き土を撤去し、木材を下地で代用。漆喰仕上げにする考えを示した。これに対して大正蔵、文庫蔵は現状をより生かした形で補修する。

  24日の懇話会(座長・倉原宗孝県立大総合政策学部教授、委員8人)では市から母屋の補修方法も示された。壁のほとんどに耐力壁を採用し、基礎も補強する。外観は隣接する鉈屋町コミセンの仕様になるという。

  委員の小田島忠夫大慈寺地区町内会連合会長は「土壁の代わりにモルタルが使われれば、復元の仕方でよそから来た方に感動を与えられるだろうか。建物に鉄骨がむき出しだと愛着の問題もある」と述べた。ほかに補強時のイメージ図で工法を評価する委員もいた。

  腰原准教授は「木製でこれだけ大きな建物は、規制によって、この時代までしかない。フレームとしての木で作られた大空間も価値が大きい」と述べた。木の組み工法などはそのまま残す考え。補強・補修について他の建造物の例も示した。

  倉原教授は「歴史的価値と同時に活用の価値もある。何を大事にしていくかだ」と、説いた。

  同日は施設活用に伴う運営方針についても協議した。市側は指定管理者制度を採用する意向。施設の活用開始は2013年度を予定している。


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