盛岡タイムス Web News 2012年 1月 26日 (木)

       

■ 大震災踏まえ学校防災の指針見直し 県教委が案を公表

 県教委は25日、東日本大震災津波の教訓を踏まえて災害に対する危機管理の在り方を見直し、策定中の「学校防災・災害対応指針(仮称)」と「教育委員会危機管理マニュアル」の案を公表した。在校時に「津波警報」が発表された場合は、児童生徒を保護者に引き渡さないと明記。登下校時、校外活動中など発災時の状況に合わせた教職員の行動や学校が避難所となった場合の対応についても示した。指針とマニュアルは県立学校を対象にしたものだが、市町村教委や公立の小中学校にも参考にしてもらう。今後、関係機関から意見を聞いた上で3月中の策定を目指す。

  災害発生時の児童生徒の引き渡しは、これまで明確な基準がなく学校の判断にゆだねられる部分が大きかった。新しい指針では、「避難指示」が発令されるなど二次災害の恐れがある場合や「津波警報」が発表されている場合は、保護者に引き渡さず、学校管理の下で保護すると明記。津波注意報の場合は、防潮堤など地域の防災施設の状況や実情を勘案し、必要に応じて津波警報が発表された場合に準ずるとした。

  災害時の対応は▽在校時▽登下校時▽学校外における活動時▽在宅時▽保護者や地域の人の来校時-に分けて表記。危機終息後の対応も応急、短期、中長期と時系列別に示している。停電などで情報収集や連絡体制が困難になることも予想されるため、可能性のある手段についても例示した。

  東日本大震災津波では、想定を超える津波が押し寄せて多くの学校が被災。学校管理下にあった小中学生は無事だったが、部活動中の高校生に犠牲者が出たり、迎えにきた保護者へ引き渡した児童が津波にのまれるなど痛ましいケースもあった。避難所指定されていなかった学校が、準備のないまま長期間にわたって避難所となるなど、災害発生後の対応にも改善すべき課題が見つかった。

  県教委の危機管理における現在の指針は、阪神淡路大震災の教訓を念頭にまとめた96年12月策定のもの。マニュアルは池田小の児童殺傷事件を経て01年12月に策定されたものが最新版で今回の震災津波クラスの災害に対しては対応しきれていない。

  特に地震・津波における対応を見直し、発生の危険性が指摘されている余震への備えも含め防災体制の強化を図ることにした。児童生徒を保護者に引き渡す際、名前や連絡先を書いたカードの活用を盛り込むなど、学校現場で実際に役立つマニュアルを目指す。

  県教委危機管理検討委員会事務局の上田幹也学校教育室高校改革課長は「学校での危機発生時の対応や連絡体制について、保護者へあらかじめ周知し、理解してもらうことが大事だ」と強調。地域とも連携し、学校ごとの指針やマニュアルに反映させてほしいとしている。


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