盛岡タイムス Web News 2012年 3月 7日 (水)

       

■ 〈アートは元気の素〉14 えいこいのうえ 茂田井武

            
     
   
     
                                  1月17日、NHKのクローズアップ現代で、釜石の小学生、下校後全員が避難して無事だったという番組を見た。足が不自由だったので逃げる時、友達に命を預けましたと言う子ども。目の不自由な祖母を避難させようと家に戻りながら敏速に避難する子どもたちの力には未来があることを感じた。

  そのことは児童文学にも言えると思います。

  今回はTon parisをご紹介します。この本は、茂田井武の画集で、編集発行したのは大川美術館の故大川栄二さんでした。コレクションのきっかけが、初めてみたとき、クレーの版画を見たときぐらいの驚きがあったというのです。作者も分からないまま、京橋のギャラリーで購入したと言う大川栄二さん。彼は茂田井武の即興的で叙情性ある作風は他にはないと思ったのでしょう。

  大川栄二さんは、自分を絵キチといっているぐらいです。1993年にこの展覧会を美術館で開催した時には思わぬ反響だったそうです。

  その本の左手に写っている宮沢賢治の「セロひきのゴーシュ」は、賢治の死後お話にふさわしい挿絵を得て1956年、茂田井武の再起の年に発売されたものだったと、瀬田貞二さんが素晴らしい文章を寄せています。

  ぜひお手にとってご覧いただきたい。コバルトブルーのきいた挿絵には、たちまちセロの音にひきこまれます。
(児童画家)
 

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