盛岡タイムス Web News 2012年 3月 15日 (木)

       

■ 県では4月から新基準適用 放射線対策で食品安全性をアピール

 県議会予算特別委員会は14日、農林水産部の審査が行われた。菊池寛流通課総括課長は食品における放射性濃度の新基準への対応で、9月末まで現行基準の猶予期間が認められている牛肉でも4月からの新基準適用を検討していることを明らかにした。山田亙畜産課総括課長は県内で約1万fと概算している除染対象の牧草地の事業費について約30億円との試算を示した。

  新基準への食品流通面での対応は岩渕誠氏(民主)が質問。菊池課長は「牛肉は100ベクレルになり、9月30日までは従来の基準値でいいと制度上はなっているが、県としては4月から新しい基準値を適用して、超えた場合は自粛要請することを検討している。出荷団体の意見を聞いて実施していきたい」との方針を明らかにした。新基準適用を4月から「先駆けてやることが安全性のアピールになる」と説明した。

  飼料の問題では、渡辺幸貫氏(同)が約1万fの除染費用や実施時期を質問。山田課長は反転耕が10e4万4千円程度、撹拌(かくはん)耕は2万6千円との見込みを説明。「実施時期を検討した上で必要な予算を確保し、できるだけ早く除染していきたい」と述べた。

  工藤勝子氏(自民ク)は飼料の許容値の引き下げに伴う公共牧場への影響をただした。山田課長は「稼働している県内114の公共牧場のうち27牧場が利用できなくなると考えている」し「利用自粛しなくていい牧場に放牧受け入れを要請し、調整している。何件か受け入れ可能の答えを得ているが、これから具体的な調整を進めていきたい」と述べた。

  代替飼料の確保について、山田課長は「利用自粛により必要な代替飼料は乾草に換算し月当たり最大6千d程度と見込み年間7万2千d。代替飼料は全国から乾草やサイレージを供給できるという申し出が約1万5千d、乾草換算で約1万dの確保をしている」と説明。

  輸入については「ある程度供給は可能と聞いている。代替飼料の代金は本県では農業団体が畜産農家に粗飼料の現物を無償で提供し、必要経費は農業団体が東京電力に請求する。生産者には負担が掛からない」と答弁した。

  木村幸弘氏(社民)は農産物の規制値見直しの追加対策を質問。小岩一幸企画課長は「これまでは生産物のみの検査をしてきたが、安全な県産農産物の生産物を確保する観点、生産者が安心して農作業に従事できる観点から今後、用水路やため池の土砂について市町村や施設管理者と相談しながら汚染実態を確認していくことも考えている」との方針を示した。

  岩渕氏は1万fのうち転作水田の牧草生産が個別所得補償の交付の問題で、早期に汚染状況調査が必要と指摘。山田課長は利用自粛している市町村の生産調整の牧草は約4千fとの目安を示し、調査は新年度になると説明した。

  山田課長によると、耕畜連携は戸別所得補償で助成金が出る。牧草の利用自粛要請地域以外では取り組みに着手後、新たに自粛要請された場合には交付対象とするよう国で検討し、すでに超えているところは交付対象外になるという。「交付対象外となる助成金は東京電力の賠償対象となると考えているが、対象に明示されていないので国に要請している」と述べた。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします