盛岡タイムス Web News 2012年 3月 28日 (水)

       

■ 被災地に回復感乏しく 県が復興ウオッチャー調査結果

 県は、東日本大震災津波の復興に関する住民意識を把握するために2月に実施した「いわて復興ウオッチャー調査」の結果を公表した。被災した12市町村に居住または就労している153人に協力を求め145人が回答。生活の回復度では「あまり回復していない」「回復していない」が合わせて56・6%(82件)だった。同月に実施した「被災事業所復興状況調査」の結果も発表。調査対象の中で津波被害を受けた2045事業所のうち、一部でも事業再開にこぎつけた事業所は73・4%(1500事業所)に達したが、水産加工業では56・0%にとどまるなど業種による差が大きかった。

  ウオッチャー調査は被災地域の「復興感」を定期的に把握するため、四半期に1回実施する。先月、初めて実施し▽被災者の生活の回復度▽地域経済の回復度▽災害に強い安全なまちづくりの達成度−について震災以降、全体の回復状況と直近3カ月間の進捗(しんちょく)状況の実感を尋ねた。

  生活の回復度は「あまり回復していない」が29・0%(42件)、「回復していない」が27・6%(40件)。地域別では沿岸北部(岩泉町以北)は「やや回復した」(28・9%)の割合が最も高いのに対し、沿岸南部(宮古市以南)では「回復していない」(35・5%)の割合が高い。

  直近3カ月の回復の進捗状況も「あまり進んでいない」が27・6%(40件)、「進んでいない」が26・2%(38件)と半数以上を占めた。

  地域経済の回復度は「あまり回復していない」が31・0%(45件)、「回復していない」が28・3%(41件)。沿岸北部は「やや回復した」「あまり回復していない」の割合がそれぞれ26・7%と最も高いが、沿岸南部では「回復していない」(39・8%)の割合が最も高い。沿岸南部ほど津波被害が大きく、生活、地域経済とも、その影響が反映されているとみられる。

  地域経済の直近3カ月の回復の進捗状況は「あまり進んでいない」(32・4%)「進んでいない」(20・7%)の割合が半数以上。水産業などが少しずつ回復しているとの回答がある一方、農業の復旧状況や仮設店舗・工場の先行きに不安があるとの回答が多かった。

  安全なまちづくりの達成度は「達成していない」が64・8%(94件)、「あまり達成していない」が15・2%(22件)で合わせると8割に達する。直近3カ月の進捗状況も「進んでいない」の割合が59・3%と半数以上。「防潮堤は破壊されたままで、道路も冠水する」などハード整備が進んでいないことへの不安が目立った。

  次回調査は5月に実施。同じ153人に協力を求め、時間経過による変化を見る。

  東日本大震災津波に関わる県の意識調査は、5千人を対象にした全県的な県民意識調査、復興ウオッチャー調査、被災事業所調査の3本立て。復興期間の8年間をめどに継続的に実施。復興の進行を定期的にチェックし各種施策に反映させる。(被災事業所の調査結果は29日付で掲載)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします