盛岡タイムス Web News 2012年4月 2日 (月)

       

■ 〈寄稿〉 相原正明NPO法人いわて未来政策・政策研究会長 「政治塾」

 最近の世論調査によると、政権党民主党と最大野党自民党の支持率が合計でも30%台に留まり、「支持政党なし」はそれを上回って40%台に達している。

  既成政党に対する国民の不満や政治不信がその背景にある。これは5年間に6人も首相が代わるという海外から見ても情けない姿、東日本大震災と原発事故に対する政権の機能不全などに起因している。

  そんな中、橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会の動きが期待と注目を集めている。大阪ダブル選挙での圧勝、行財政・教育改革などに大鉈をふるう強いリーダーシップやスピード感、演説力などに多くが魅了されている。「維新八策」などはまさにあの坂本龍馬の「船中八策」を彷彿とさせ、日本の洗濯への期待を抱かせている。

  この大阪維新の会の政治塾が3月24日いよいよスタートした。全国から2千人を超える受講生を集め、最終的に衆院選で「300人擁立、200議席獲得」を目指すというものだ。受講生は会社員が最も多く、現役官僚、医師、弁護士、地方議員も含まれている。隔週で土曜日に開かれる講義を約3カ月間受講し、その後400〜1000人に絞り込んでいくという。

  もしこの大阪維新の会が目標を達成した場合、恐るべき素人集団になるとの危倶が出されてはいるが、既存の政党の閉塞感を打破するものとして多くの支持を得ていることは疑いない。

  日本にはこのような政治塾が極めて少ない。若者などが政治の道を志そうとしても手がかりが特殊な世界に限られているのが実情だ。そのような意味でも橋下政治塾は注目される。

  野田首相が学んだ松下政経塾(神奈川県)は代表的な政治塾である。松下幸之助が、120億円の寄附を行って昭和55年に創設した。全寮制で4年間(設立当初は、5年間)の教育を行ない、塾生には 、月の手当と活動資金が支給される。これまで248人の卒塾生を出したが、国会議員38人(現在)を始め、地方議員、首長などの多くの政治家を育てている。

  このほか大前研一氏が平成6年に創設した一新塾(東京都)がある。1年コースで3400名の卒塾生を出し、多くの政治家も誕生させている。

  東北では、岩手の地に政経塾「いわて平成松下村塾」が昨年発足している。NPO法人いわて未来政策・政経研究会の主催で3カ月コースであるが、既に二期を終え、11人の卒塾生を世に送り出している。

  歴史をさかのぼれば、幕末の吉田松陰が開いた松下村塾がある。学ぶだけでなく、行動する人材を求め、短期間のうちに久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文など多くの人材を育てた。これらの人物が明治維新への扉を開いた。

  新しい世を切り開くのは政治であり、若者などにその道を早い段階で具体的に示し、国家や地域の発展のため、志高く行動力ある人材を育成すべきである。今後このような政治塾は一層重要性を増すと考える。

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