盛岡タイムス Web News 2012年4月 16日 (月)

       

■ 沿岸支店の復旧進む 盛岡地域の企業

     
  昨年9月に復旧した宮古市の薬王堂磯鶏店  
 
昨年9月に復旧した宮古市の薬王堂磯鶏店
 
  東日本大震災津波では盛岡地域に本社を置く企業も被災した。昨年3月11日は従業員に犠牲者が出たり、支店が津波に遭うなど大きな被害を被った企業がある。社員の勤務に被災地の住宅不足が影響するなどの問題も生じているが、県内の経済復興を内陸からけん引するよう、各社は沿岸部の営業の再建に全力を上げている。

  矢巾町に本社を置く薬王堂(西郷辰弘社長)は岩手、宮城両県の11店舗が被災し、うち4店舗が復旧した。県内では宮古市の磯鶏店、釜石市の鵜住居店が再建。再び買い物客で賑わっている。

  今年から山田、大槌の2店舗を復旧工事する。西郷社長は「あとの店は復旧というより新たに作る」と話し、被害が大きかった大船渡市や陸前高田市、宮城県などの店舗の再建のあり方を検討している。西郷社長は「被災地で一番困るのは住宅が足りないこと。エリアの責任者ができるだけ近くに住宅を置こうと捜しても無いので、盛岡から通う人もいる」と話し、現地の復興状況との兼ね合いで、マネジメントに苦労している。

  震災の犠牲になった従業員について西郷社長は、「冗談を言いながら長年、一緒に苦労してきた人もいるので、どうしても浮かんでくる。3月11日は忘れられない日」と声を詰まらせる。今年の新入社員は「震災枠」で7人採用し、現地の復興に寄与する。

  矢巾町に本社を置くみちのくコカ・コーラボトリング(谷村邦久社長)は、久慈市の営業所が被災し、被災地の自動販売機約2千台に被害が出た。谷村社長は「久慈の営業所には1・7bのところまで水が来て1階部分は水没したが、建物は復旧した。水が来たあとは残っている」と話し、会社として震災を記憶にとどめている。

  自動販売機は津波で押し流されるなど大量に被災し、復旧は2千台のうち4割弱。新台を充てて回復を急いでいる。

  震災で停止した花巻工場は24日間で操業を再開した。谷村社長は「工場を自力であれだけ早く復旧し、そうした状況の中でも、飲料水を提供した」と話し、非常時にあたっての企業責任を強調する。今年度の新入社員は、被災地のための枠で4人採用した。

  盛岡市の貸衣装のイワテブライダルセンター(鳥居清五郎社長)は、宮古市と大船渡市の支店が津波に遭った。

  宮古店は昨年4月には復旧した。鳥居社長は「宮古の店は天井まで水が来て1階の衣裳などが流されたが、1ヶ月で宮古では一番早く開店にこぎ着けたと思う。宮古の市役所にとても協力してもらった。再開したあとは成人式など明るい衣裳の相談が増えた」と話し、店舗の復旧が市民生活の平常化を後押しした。

  大船渡店は復旧できていない。鳥居社長は「マイヤの前の店が全部流されてない。復旧は市内の他のビルと一緒なので着手できていない」と話す。被災の状況によって、各自治体の復興計画を待たねばならない企業も多いという。


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