盛岡タイムス Web News 2012年4月 17日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉146 及川彩子 若葉の卒業へ

     
   
     
  3月末の日曜日から、ヨーロッパはサマータイムになり、夜8時を過ぎてもまだ青空。今冬は、雪がほとんど降らず、早や新緑の季節を迎えています。

  そんな時の流れを急ぐような季節の変わり目、わが家の長女ルチアも、6月には中学を卒業するので、今や卒業試験へまっしぐら。

  イタリアの義務教育は、小学校が5年、中学が3年の8年間。14歳で入学する高校は5年制。そして大学に進学します。高校も大学も無試験ですが、それぞれ国家試験である卒業資格試験に合格しなければなりません。

  ルチアが挑む中学卒業試験の主要教科は、国語・数学・英語・ドイツ語・理科・社会などで、一日1科目4時間の筆記と口答試験。審査するのは、学校の先生ではなく、文部省派遣の検定員。試験後、成績と合格・落第の評価が学校前に張り出されます。 

  去年は、ルチアの中学校3年生30名のうち7人が落第という状況だったので、先生方も必死のようです。試験の後は、希望する高校に進学できますが、卒業には、より厳しい試験が待っているのです。

  イタリアの高校は、文系・理系・教員養成系・芸術系・農業・商業・工業・技術・観光などに分かれています。中学卒業の13歳で、どんな職業に就くか決めなければなりませんが、転校や転科することもできます。

  ある雑誌に、大学進学率1位がオーストラリア、次いでスウェーデン、アメリカ…イタリアは7位、日本は10位。大学退学率は、イタリアが50%、日本は10%とありました。

  校則や制服、クラブ活動も学校行事もなく、自主性が重視されるイタリアの学校。その中で育つ日本人家庭の娘の成長は、私にとっても、貴重な発見の連続でした。

  ルチアが希望する高校は、ラテン語と数学の多い理系。一歩を踏み出す前の「若葉の試練」に、いよいよわが家も突入です。


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