盛岡タイムス Web News 2012年4月 20日 (金)

       

■ 〈私が愛した男たち〉第8章鶴田浩二 佐々木市子

 私が人生の中で見つけ出した方程式に「静岡出身にはいい男が多い」というのがある。これはもちろん複数のかっこいい有名人が静岡出身だったことから導き出したものなのだが、今となっては導き出すもととなった有名人を1人しか覚えていない。それが鶴田浩二なのである。小学生のときは「耳に手をあてて歌う人」という認識で、よくマネはしたのだが、そのかっこ良さにあまり気づいてはいなかった。

  しかし中学生のときNHKの「男たちの旅路」で衝撃の再会を果たすこととなる。耳に手を当てて歌っていた「傷だらけの人生」をほうふつとさせる古い男を演じていた。私はその美しい顔立ち、品の良さ、不器用な誠実さを感じさせる物腰に心をうばわれた。このドラマにはぜいたくにも池部良も出ており、そのツーショットには目がくらんだ。銀幕スターならではの「フォーマルな二枚目」ぶりには、70年代以降の「カジュアルないい男」にはたちうちできない美しくりんとしたたたずまいがあった。この2人が出ていると「ありがたやありがたや」と拝みたくなるほどだった。

  当時飛ぶ鳥を落とす勢いの桃井かおりにホレられる役だったが納得だった。ホレて当然、ホレなくてどうする、ホレずにいられない、ホレさせてください。本当に手が届かない、いや届いたとしても近づいてはいけない、天にまします男性に思えた。ガードマンの制服がまたたまらなかった。根津甚八がこのドラマに1度ゲスト出演しているが「こんなかっこいい人がこの世にいるのかーっ!!」と私は体中に電流が走るほどの衝撃を受けた。鶴田浩二と根津甚八…これも超ド級にありがたいツーショットである。

  鶴田浩二が亡くなったとき私は花のお江戸にいたのだが、ニュースが流れた当日か翌日の夜にはテレビ東京が追悼番組を放映してくれた。私はそれ以来テレ東の大ファンである。さらに後日、私が大好きだったお色気満載の「プレイガール」がテレ東の番組だったことを知りますますファンになった。それはさておき鶴田浩二は私が愛した男たちの中で一番せつないほどの美しさをたたえた人だったことはまちがいない。


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