盛岡タイムス Web News 2012年4月 24日 (火)

       

■ 被災地支援活動の拠点に 岩手医大が災害時地域医療センター整備

     
  岩手医大災害時地域医療支援教育センター・マルチメディア教育研究棟の完成予想図  
  岩手医大災害時地域医療支援教育センター・マルチメディア教育研究棟の完成予想図  
  岩手医科大学(小川彰理事長)は被災地医療支援活動の拠点となる災害時地域医療支援教育センターを2013年4月に開設する。建設地の矢巾町西徳田地内で23日、建設工事起工式を挙行。同大や県、工事関係者ら約50人が出席し、工事の安全を祈願した。

 同施設は地上4階建て、延べ床面積約9500平方b。災害時の教育を担う災害医学講座やシミュレーション室、災害時の備蓄倉庫などを配備した災害時地域医療支援教育センター、図書および情報関連機能を併せ持ったマルチメディア教育研究棟の二重構造になる。総事業費は約22億円で、このうち約10億円に国や県からの補助金を充てる。

  東日本大震災津波では全国から多数の医療支援チームが支援に入ったが、情報の断絶により当初の活動は困難を極めた。カルテが電子化されていなかったこともあり、被災した病院では患者情報がほとんど失われた。情報がなかなか回復せず、発災直後の避難所医療などでは患者がどんな薬を飲んでいたかの把握に困難を極め、それが災害医療のブレーキになった。
     
  岩手医大災害時地域医療支援教育センターの建設起工式  
  岩手医大災害時地域医療支援教育センターの建設起工式  

  こうした経験から、同施設では大型のコンピューターで患者の薬や病気の情報を一元管理するなどITや遠隔医療を利用した新しい岩手地域医療モデルを構築する。

  小川理事長は「被災地の医療機関の患者情報が壊滅的な状況に陥ったことを反省し、広域的な医療情報連携の重要性、あるいは被災地の医療機関と本学附属病院を結ぶ遠隔医療システムの導入について検証することにした。この試みは慢性的な医師不足にあえぐ、全国の被災地医療のモデルとして大きな期待が寄せられている」と話す。

  情報を管理する性質上、完全免震構造に加えて建物独自の非常用発電装置を持ち、瞬時停電を含めすべての災害において機能を失わないようにする。小川理事長は「大災害時の司令塔の建物として機能することができる」と自信を見せる。

  同大では今後、隣接する藤沢地区への附属病院の移転と内丸キャンパスの再開発を計画する。これに合わせてマルチメディア教育研究棟を、図書館機能と情報関連機能を統合した学術研究のさらなる充実と広域連携の進展に結び受けていく。


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