盛岡タイムス Web News 2012年4月 25日 (水)

       

■ 40年間の更新費用に8639億円 建物など盛岡市保有資産 適正化検討へ

 盛岡市と県立大学共同設置の市まちづくり研究所によると、建物や道路など市保有資産で2011年から50年までの40年間に必要な更新費用は約8639億円に上ることが分かった。総務省提供のソフトによる推計値だが、市保有の建物に限っても更新費用の実績額と比べて大幅な資金不足が見込まれる。市は今年度、財政部に資産管理活用事務局を設置。研究所の報告を踏まえ、アセットマネジメントによる長寿命化など保有資産の最適化についての方向性をまとめる。

  24日の11年度成果報告会で上森貞行同局主任(3月まで研究所共同研究員)が発表した。推計などを踏まえ、最適化手法について提案。職員や市議、市町連役員らが聴講した。

  建物(659カ所1553棟、延べ床面積110万平方b)については、40年間で4031億円の更新費用が必要と推計された。年平均で101億円となり、06年から10年の実績値に基づく年平均42・3億円と比べると大幅な不足が見込まれる。40年分だと2339億円の不足になる。

  インフラの水道は1519億円(年平均38億円)、下水道は1421億円(同35億円)、道路は1477億円(同36億円)、橋りょうは215億円(同4・7億円)が必要だと推計された。

  上下水道は厚労省、道路橋りょうは国交省の指導の下で施設更新のあり方が検討されている。このため研究テーマとしては立ち入らなかった。道路に関しては耐用年数が短いものの、新規整備がなければ現行の対応で費用不足はないという。橋りょうについては後半に盛南や盛岡駅周辺の施設更新が集中する。

  上森主任は研究で、更新費用の不足に加え、少子高齢化と人口減少にも注目。「従来の資産維持、保全のあり方を抜本的に変える必要がある」と主張。建物に関しては先進地の事例から長寿命化だけでは限界があり、統廃合など「総量縮小」などの例も紹介した。

  その上で盛岡市の最適化手法として▽既存施設の有効活用▽複合化による施設更新▽効率的な運用▽長寿命化−を取り組みの柱に掲げた。建物の性能や利用実態、管理運営コストなどの基本情報から評価を行う仕組みを提案した。

  更新に当たっては建物を劣化診断し、更新時期を把握。「20カ年更新計画」で最初の5年は建て替えか大規模改修か、延命化かの中期更新計画を策定。次の5年とその後10年は複合化やサービスの見直しも行う。ほかに経常的修繕や新規整備についても仕組みの構築を打ち出した。

  上森主任は「このままだと施設に向けている費用のほとんどを建物の更新に充てることになる。事業や人員の大幅削減に追い込まれる事態になる前に現時点で抜本的対策が必要。将来世代に請求書を贈るか、適切なサービスを残してあげられるか判断が求められている。今後住民と丁寧に議論を重ね、残していくサービスについて合意点を見つけていく必要がある」と訴えた。

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