盛岡タイムス Web News 2012年4月 28日 (土)

       

■ 国際リニアコライダー本県設置へ協議会 経済効果は5・2兆円

     
  27日開かれた県国際リニアコライダー(ILC)推進協議会設立総会  
  27日開かれた県国際リニアコライダー(ILC)推進協議会設立総会  
  県国際リニアコライダー(ILC)推進協議会設立総会が27日、盛岡市清水町の盛岡商工会議所で開かれた。総会には、県内の経済団体などから約200人が出席し、元持勝利県商工会議所連合会会長を会長に選任。谷村邦久同連合会副会長、千葉庄悦県商工会連合会会長、谷村久興県中小企業団体中央会会長、高橋真裕岩手経済同友会代表幹事、佐藤安紀県経営者協会会長の5人が副会長に就任。5団体が結束して、岩手・東北へのILC誘致実現に向けた運動を開始した。

  ILCは、地下約100bに全長31−50`bの直線トンネルを掘り建設される超大型の線型加速器。現在、ILC計画が推進され、北上高地が候補地の一つに挙がっている。建設地域は、基礎科学の発展を担う世界第一線の研究拠点となり、国際的な学術研究都市が形成される。建設コストは約8千億円、初期(おおむね10年)の経済効果は約5・2兆円と試算されている。

  元持会長があいさつ。「ILCは世界に唯一建設される予定で、建設場所は国際研究拠点となる。誘致されれば、関連産業の立地も増え、地域経済の活性化に大きな効果となる。復興を先導するプロジェクトとの考えで取り組みたい」と同協議会の役割、地域経済への波及メリットとなどを挙げた。

  そのうえで「岩手の未来を担う子どもたちに、科学に興味を与える機会となる。集まってくる世界各国の人には美しい三陸沿岸の自然環境に触れてもらい、復興から再生への状況を全世界に理解してもらう絶好の機会ともなる。希望ある地域づくりに向け、経済団体が力を合わせ、多くの県民の協力を得ながら、まい進したい」と抱負を語った。

  事業目的は、▽ILCの意義や研究内容などについて理解を深め、国際的研究機関を東北・岩手に誘致する場合に欠かせない都市機能や学術機能との連携についての調査研究▽ILCを核とした東北の産業振興の具体的な戦略の検討と国際学術都市を形成し、新産業の創出による経済活性化。事業は、啓蒙活動、調査・研究活動、要望・提言など。

  組織活動としては、同5団体が中心となり、産学官をはじめ賛同する団体・企業、個人に幅広く呼びかける。目標は法人会員300企業・団体、個人会員100人。会費(年間)は法人1口2万円、個人5千円。設立時の法人会員企業数は177社、個人15人。

  今年度の事業は、▽学生を対象とした山下了東大素粒子物理国際研究センター准教授講演会(6月7日盛岡一高、8日盛岡三高)▽県民、会員を対象とした講演会(7月以降)▽視察会の開催(加速器研究施設等)▽県、東北経済連合会等と連名による要望活動(7月下旬予定)など。

  総会終了後の講演で大平尚県政策地域部政策推進室首席ILC推進監は、「6月までに、ILCを核にした東北復興のグランドデザイン基本構想を策定する。雇用創出、人口の社会増なども視野に入れた将来ビジョン。ILCの技術設計は今年で終わり、場所の評価に入る予定。日本政府は、まだ本格的に乗り出していない。日本の再生と東北の再生のためとして、産学官が連携し、国民にも納得してもらよう、アピールが重要」と話した。


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