盛岡タイムス Web News 2012年 5月 2日 (水)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉306 八木淳一郎 夜の星座

 日が長くなってきました。暮れの冬至の頃は午後4時を少し回ったところで日没となりましたが、今頃ですと日が沈むのは午後6時半ごろですので、2時間以上も長くお日様が顔を出していることになります。さらにこれから6月の夏至を迎えるまで日が長くなっていき、そのあたりには午後7時になってもまだ日が沈まない、といったように、あらためて季節の違いを感じさせられます。

  さて、日が長くなると星空の現れるのも遅くなります。しかし子どもたちは翌日がお休みの日でもない限り、星を見るために夜更かし、という訳にもまいりません。辺りが薄暗くなってすぐに目につく星を捜してみましょう。今の時期の一番星はなんと言っても金星です。金星は4月をピークに5月には徐々に高度を下げ、明るさも少し落ちてきます。見かけ上、太陽に近付くことになり、月と同じように満ち欠けする金星の形は半月状から三日月のように徐々に細くなっていきます。それでもなかなかに見応えがありますので、ぜひ今のうちに仙台市の天文台の大きな望遠鏡などでお子さんに見せてあげてください。

  6月6日には次回は105年後にしか見られない金星の太陽面通過という珍しい現象があり、これを境に金星は明けの明星として日の出前の東の空に輝くことになります。さ
て、いよいよ辺りが暗くなるにつれ、星座の形をたどることができましょう。盛岡の街のように大概の街灯の光が上方にも漏れる形ですと、肝心の足元を照らすよりも夜空を明るくしてしまい、自然を損なうばかりか電力やエネルギーの無駄遣いとなります。しかし、そんな良くない環境ながらも明るい星々を見つけることはできます。

  天頂から北の方角にある北斗七星は容易に発見できることでしょう。これさえ分かれば春の星空は親しみやすいものとなります。北斗七星のひしゃくの柄のカーブなりに延ばしていくと、明るい黄色っぽい星にぶつかります。うしかい座の主星アルクトウルスです。1等星よりも2・5倍明るい0等星で、七夕の織り姫(こと座のベガ)と同じ明るさです。さらにカーブを延ばしていくと白っぽい星に出合います。おとめ座の1等星スピカです。あれ?すぐそばにちょっと黄色っぽい明るい星が−実はスピカのそばに土星が並んで光っています。土星も0等級の明るさです。

  これから夏にかけてのしばらくの間、土星の魅力的な姿を堪能できます。盛岡市子ども科学館での催しにはたくさんの小型望遠鏡が登場します。南部盛岡は伊達藩仙台市に望遠鏡の面でも到底かなわないのですが、たとえ小さなレンズでも輪のある土星の愛らしい小さな姿を楽しむことができます。一度ご覧になってください。
(盛岡天文同好会会員) 

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