盛岡タイムス Web News 2012年 5月 12日 (土)

       

■ 安全な山菜の提供に神経 シーズン到来の産直施設

     
  旬を迎えた山菜が並ぶ盛岡市内の産直施設  
  旬を迎えた山菜が並ぶ盛岡市内の産直施設  

 県農林水産部は11日、国の定める基準値を超える放射性物質を検出した盛岡市の野生コシアブラの出荷および採取の自粛を要請した。各産直でもこれから本格的なシーズンを迎える山菜を扱う店舗は多い。JAや自治体など運営主体で検査を実施する産直がある一方、小規模の産直では独自に検査機器の導入を検討するなど、店頭に並べる山菜の安全性を確保するためそれぞれ体制構築に努めている。
  同市下飯岡のサンフレッシュ都南店では、ワラビ、コゴミ、シドケ、ウドなどの山菜が店頭に並ぶ。同店ではJAいわて中央の矢巾営農センターで随時検査を実施し、基準値を超えないものを出荷している。コシアブラは、同市場での基準値超過を受けて11日は取り扱いをやめた。店内には原木シイタケの放射性物質について検査を実施していることなど、安心して購入できるようポップで安全性を訴える取り組みも行われている。

  伊勢貴之副店長は「お客さんもかなり気にしているようで、聞かれることも多い。検査証明書もあるので、何かあったときには提示するようにしている。商品を生産者に出してもらえないとお客さんにも買ってもらえず、売り上げ自体が落ち込む可能性もある。シイタケのように少しでも安心してもらえるのであれば、山菜についてもポップを考えたい」と話す。

  同市上鹿妻の産直あいさい舘では、出荷する組合員で自主規制をして検査で安全性が確認された山菜から順次店に並べるようにしている。そのため、タラの芽や栽培ウルイなど商品は限られる。市や県へは検査依頼が殺到し時間が掛かることから、同産直では独自に検査できるよう機械を購入することも検討している。

  事務局の中村久和さんは「野菜が少ない時期にこういう山菜が出せないと痛い。組合員の中でもこれからどうしようかという声もある。自分たちでできることとしては、機械を購入してお客さんに安心して買い求めてもらうこと」と対応に苦慮する。

  雫石町橋場の道の駅雫石あねっこでは、産直しずくいし出荷組合の組合員が出荷した町産のタラの芽、コゴミ、シドケ、ワラビ、ウドなどが並ぶ。商品は随時、町役場にある測定機器を使用して検査を実施。コシアブラについては、10日に産直に出たものを測定し基準値以下と確認された。売り場では町役場で検査した野菜や山菜の測定結果も掲示し、安全性をPRしている。

  産直担当の小赤澤悦子さんは「最初のうちは出してもいいのか心配していたが、持ってきたものを検査しOKが出たものを売っている。もっとお客さんから問い合わせがあるかと思ったが意外となく、生産者の方が気にしている。いくらかでも安心できるものを売りたい」と話す。

  市中央卸売市場では4月26日から県医薬品衛生検査センターに委託し、放射性物質の自主検査を開始した。検査は毎週木曜、青果物と水産物から品目を選び実施。結果が分かるのは検査日の昼頃のため、基準値を超過したものは仕入れ先を確認し回収する仕組みをとる。山菜はこれまでにコゴミ、タラの芽、フキノトウ、ウルイ、シドケ、ギョウジャニンニク、ウコギ、コシアブラを検査。コシアブラ以外は基準値を下回っている。

  盛岡市のコシアブラについては、11日の県の検査でも基準値を超過した。


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