盛岡タイムス Web News 2012年 5月 15日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉148 及川彩子 幸運のコンフェッティ

     
   
     

 日本では祝い事に紅白の餅菓子などを配りますが、イタリアにはコンフェッティというアーモンド菓子を配る習慣があります〔写真〕。

 このお菓子は、1粒1粒のアーモンドを、白・ピンク・青・赤などさまざまな色の砂糖衣で包んだもの。まるで磨かれた宝石のようで、食べるのが惜しいほどにおしゃれです。

 コンフェッティは、子どもが誕生した時と、その子がキリストの洗礼を終えた時に、男の子なら青、女の子ならピンク色が、それぞれ5粒づつ、親戚や友人、近所の人たち一人ひとりに配られます。

 他にも、10歳になった時に行われるコムニオーネ(イエスと一体になる、宗教上最も重要な儀式)の時は白、また大学卒業の時は赤、婚約は緑、結婚すると白、銀婚式は銀、金婚式には金色が配られます。

 その年齢の子どもを持つ家族は、コンフェッティの調達にてんやわんや。希望に合わせた包装を一手に引き受ける菓子店もありますが、手書きのメッセージ入りや、各家庭で趣向凝らした包みが一層喜ばれているようです。

 コンフェッティの起源は15世紀。中部イタリアの小さな町の修道院で働く菓子職人が、砂糖を熱して、アーモンドに衣がけしたのが始まりと言われています。

 それがヨーロッパ全土に伝わり、フランス語の「ドラジェ」とも呼ばれるようになりました。薬学用語の錠剤と同じ意味です。長時間かけて作られる砂糖衣の滑らかさと、木の実の香ばしさは抜群の相性です。

 先日、「もうすぐコムニオーネを迎えるよ」と10歳になる隣のドメニコが真っ白いコンフェッティの包みを持ってきてくれました。ドメニコからもらうのは、彼の誕生の時と洗礼の時、そして今度が3度目です。

 「次は結婚の時かな」と、健やかな成長を祈ると同時に、イタリア生活がよみがえります。わが家にとって、コンフェッティは、ここアジアゴの人々との絆に一役買っているのです。


 

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