盛岡タイムス Web News 2012年 5月 23日 (水)

       

■  〈食べられる草木の花版画集〉7 八重樫光行 ハナイカダ

     
   
     

 山で初めてお目に掛かったとき、葉っぱの上に小さな花が乗っていた。ヒヨドリか何かの鳥が小花をくわえて飛んでいたが、間違って落としたのか…。あるいは、どこかの木に咲いた花が強い風に飛ばされて葉の上に落ちたのかと思った。よく見ると、その木のどの枝の主な葉の上でチョコンと座っているように咲いていた。要するに、葉の上に花を付ける変わった木であった。ハナイカダという名の木で良い名を付けてもらったものだ。

 祖母が、若い葉は食べられると、ゆでてクルミあえにしてくれたのを食べたのはずいぶん昔のことになった。煮物、お吸い物、揚げ物と、料理は楽しい。うまい花というより葉っぱであろう。

 葉が舟として、花は人で、さおを操っているように見立てての名前であろうか。茶席の花として珍重されるであろう。

 草木の花を見て美しい、かわいらしいと見るのが一般的で、私自身は美しい、きれいと、次に何より大切なことは食えるかどうかということ。戦後65年がたってもその癖が残っているようだ。

 


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