盛岡タイムス Web News 2012年 5月 25日 (金)

       

■  SAVE IWATE 震災復興に京大とスクラム

 東日本大震災津波の被災地支援に取り組むSAVE IWATE(寺井良夫理事長、盛岡市)は、京都大学経営管理大学院の関連組織・一般社団法人京都ビジネスリサーチセンター(理事長・若林靖永同大学院教授、京都市左京区)と連携し、震災復興につながる「社会的企業」の設立や人材育成を支援する「岩手ソーシャルビジネススクール」(塾長・西田純二京大経営管理大学院経営研究センター特命教授)を6月から開始する。京大の教員らを講師に招き、被災地での起業を支援。介護やパソコンなど働くために必要なスキルを身に付ける講座も開講し、就労や雇用の場の拡大につなげていく。

 スクールは人材育成研修(インターンシップ事業)と起業・新規事業支援(インキュベーション事業)-が柱。内閣府の復興支援型地域社会雇用創造事業に採択され、今年度、2億3500万円の事業費を得た。

 インターンシップ事業は、社会的企業の立ち上げを目指す人材の育成や、パソコンなど就労に必要な基本スキルを身に付ける場の提供が目的。第1段として7月から@震災復興のための経営マンジメントコースAパソコン初心者コースB介護・ケアコースC震災復興まちづくりコース-の4講座を開講する。

 経営マネジメントコースは、京大経営管理大学院の講師陣が担当。復興に関する事業制度の活用やマーケティング、広報戦略など起業・経営の専門知識とノウハウを指導し、震災復興のリーダーを養成する。

 まちづくりコースは、複数の沿岸地域で開催。復興のまちづくりを目指すワークショップの中から、ニーズを探り、研修などを柔軟に設定していく新しい支援方法を試みる計画だ。

 まちづくりコースを除き、研修は盛岡市内が会場。各コースとも研修時間は180時間で受講は無料。8月以降にも新たなコースを開講し、1年で140人の聴講を想定している。

 一方、インキュベーション事業は、上限210万円の起業支援金を支給し、起業からスタートアップまでを後押しする。県内に拠点を置いて社会的貢献度の高い事業を実施する人が対象。個人事業主による起業や、既存の法人などが新規事業を始める場合も含む。土木・建設業以外のすべての事業が対象になる。支援対象者はビジネスコンペで決定し、50個人(団体)を支援する予定だ。

 京都ビジネスリサーチセンターは、京大経営管理大学院の全教員が参加し、研究成果を社会に還元しようと10年8月に発足した。盛岡市にゆかりのある研究者の橋渡しが縁となり、昨年夏ごろから、SAVE IWATEを視察に訪れるなど交流。SAVE IWATEが持つ地域ネットワークと京大の知財を生かし、新たな地域復興モデルを構築しようと連携協定を結んだ。スクールは単年度事業だが、今年度の取り組みを蓄積し、継続した支援態勢を取りたいという。

 被災地では最低限の生活の場は確保しても、安定した収入が得られず、深刻な悩みを抱えている人が少なくない。寺井理事長は「待っているだけでなく自ら仕事を作り出していくことも重要。自立に向かう手助けができれば」と意気込む。

 若林理事長は「大学院生を含め人的支援をしっかりやっていきたい。決まった型を提供するのではなく、コミュニケーションの中から生まれるアイデアを大事にし、成果につなげたい」と話していた。

 各事業の詳しい募集要項や公募の説明会は6月18日午前10時から、盛岡市のアイーナ8階803会議室で開催。インキュベーション事業のビジネスプランも同日から募集を開始する。提案書の締め切りは7月3日。書類審査、コンペを経て7月20日に支援者を決定。第2回公募は9月下旬を予定。問い合わせはSAVE IWATE岩手ソーシャルビジネススクール事務局(電話019-601-2468)へ。

 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします