盛岡タイムス Web News 2012年 6月 3日 (日)

       

■ 再建に向け需要 県内住宅着工

     
  盛岡市内で建築中の住宅  
 
盛岡市内で建築中の住宅
 

 県がまとめた2011年度の県内新設住宅着工戸数は5178戸で、前年を1%下回った。震災の影響で昨年の3、4月が大きく落ち込み、盛岡市など県央部で投資の手控えが見られたことによる。沿岸部では復興需要により宮古市で前年に比べて1・5倍、大船渡市では2倍の伸びを示した。今後は沿岸部を中心に災害復興住宅の整備が本格化し、消費税の動向によっては駆け込み需要も予想され、今年は右肩上がりの需要が予想される。

 昨年度の着工戸数を市町村別に見ると盛岡市1599戸で前年比10.4%減、滝沢村271戸で同1・5%増、雫石町48戸で同14%増、矢巾町205戸で同21.5%減、紫波町118戸で同0・85%増となった。盛岡広域圏は盛岡市を中心に前年を割り込むか横ばい、微増の市町村が多かった。

 震災被災地の沿岸を見ると宮古市304戸で同50%増、大船渡市200戸で同102%増、陸前高田市110戸で同52%増。3市では大幅に増加した。釜石市は150戸で同7%減、久慈市は105戸で同32%減となった。

  年度の数字を累計すると、利用別では持ち家3405戸で同3・9%増、貸家1333戸で同14.9%減、分譲416戸で同16.5%増だった。

  盛岡市など内陸部の需要について、同市の日盛ハウジングの若柳良章専務は「仮設工事を500戸ほど手がけ、住宅着工は前年比でダウンした。おおむね3カ月ほどは仮設にほとんどの大工さんを充てた。仮設工事を優先して一般住宅に手が回らなかった影響もあるのではないか」と話す。「復興計画が作られるにつれて、今年から来年、再来年は伸びていくのではないか」と期待する。

  滝沢村のゆい工房の川原コ昭社長は「今年から来年にかけて消費税の動向によっては駆け込み需要が起き、今後は上向きになることも考えられる。ただそれは国内全体でのマクロな話で、岩手県には特殊な事情がある」と話し、復興需要を背景に県内のハウジング業界は価格競争が激しくなると見ている。

  「価格破壊的な家ができてデフレになることも考えられる。坪単価が安くなる一方で、事業採算は厳しい選択を迫られるかもしれない。現場の職人さんの単価も上がっている」と話す。
県の澤村正廣建築住宅課長は「昨年度の数字を見ると沿岸は伸びているが、内陸は伸び悩んでいる。価格が安くできる長期優良住宅と地域ブランド化を進めたい」と話しており、内陸部を含め、復興による需要の喚起を期待している。

 


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