盛岡タイムス Web News 2012年 6月 4日 (月)

       

■  津波乗り越え初渡御 釜石から出場 大盛岡御輿祭

     
  大勢の担ぎ手により担ぎ上げられる大渡祭典委員会「男組」所有のみこし  
  大勢の担ぎ手により担ぎ上げられる大渡祭典委員会「男組」所有のみこし  

 大盛岡神輿(みこし)祭(同実行委員会主催)が3日、盛岡市中心部で繰り広げられた。今回は東日本大震災津波からの復興を祈願する「復興神輿祭」として開催した。県内外の65団体約1500人が参加。沿岸から3基も出場。力を合わせて10基のみこしを担ぎ、威勢よい掛け声とともに復興への意気込みを見せながら練り歩いた。

 祭りは1989年に盛岡市制100周年を記念して開催されたもので、今回が􏇧回目の開催。本県沿岸からは久慈・野田地区、釜石地区、大船渡・高田地区のみこし3基が参加した。釜石地区大渡地区から参加した大渡祭典委員会「男組」のみこしは、津波にのまれながら損傷を免れた奇跡のみこしだ。男組や他地区の神輿の担ぎ手に担がれ大通りを練り歩き、健在ぶりを見せつけた。

 男組の菅原章会長代行(56)によると震災発生時、みこしは菅原会長代行の所有する釜石市大渡町内の工場内に保管されていた。しかし津波により工場は全壊。積み重なったがれきでみこしを保管していた鞘(さや)堂も行方不明となっていた。約1カ月後、がれき撤去中に工場跡地から鞘堂とみこしが発見された。みこしは会員らの手で整備されるも、被災した釜石市内でみこしを担ぐ機会がなく、今回の祭りが被災後初の渡御(とぎょ、祭礼の際のみこしのお出まし)となった。

 今回参加した男組の会員には家族を失った人もいるという。菅原会長代行は「震災直後にみこし仲間から多くの支援を頂いた。今回はそのお礼の意味もある。みこしは担いでなんぼ。鎮魂の思いも込めて元気にいきたい」と息巻いた。

 パレードは中の橋から大通金属会館前までの約1`の往復コースで行われた。沿道には多くの観光客が詰めかけ、担ぎ手たちの威勢のいい姿を見物した。盛岡市の駒井雄司さん(58)は「初めて来たが本当にすごい。もっと宣伝してお客さんが大勢来てもいい祭りだ」と感動していた。

  中津川河川敷で開かれた開会式では、震災犠牲者に対する黙とうがささげられた。鈴木稔実行委員長は「みこしも復興もどちらも一人ではできないもの。
みんなでみこしを担ぎ、魂をぶつけ合い、一歩ずつ再建していくという絆と元気を見せたい」と意気込みを話していた。

 


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