盛岡タイムス Web News 2012年 6月 5日 (火)

       

■ 事業追加で内陸も誘発 事業復興型雇用創出助成金

 東日本大震災津波の被災者を1年以上雇用した事業主に、助成金を交付する「事業復興型雇用創出助成金」の利用拡大を図るため、県は、助成を受けるための要件となる地方自治体の補助・融資事業を新たに25事業追加した。これまで、対象となっていなかった盛岡市や紫波町の事業も含まれている。4月以降の助成金の申請数は5月末現在、34事業所、156人。目標1万人に対し、いまだ出だしは低調だ。沿岸被災地に限らず、内陸の事業所でも使える助成制度であることをアピールし、新規雇用創出につなげたいとしている。

  助成金は、国や地方自治体の補助金や融資を受けた事業を展開している企業が、被災求職者を1年以上雇い入れた場合、1人当たり3年間で最大255万円を交付する。震災復興を目的とした国の2011年度第3次補正予算に盛り込まれ、2月から募集を開始した。

  11年度は募集期間が短く、助成金の交付対象も中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金(グループ補助金)の交付企業にほぼ限定していたため、利用申請は29企業の144人。年度目標の1250人を大きく下回った。このため県は4月に、助成金の交付要件となる補助金・融資を45事業に拡大。食品や木材加工といった地場産品や自動車、半導体、医療など本県の産業政策と一体となった事業に取り組む企業は個別に認定するなど要件を大幅に緩和した。

  今回、さらに4月には対象になっていなかった25事業を追加。盛岡市の東日本大震災被災企業工場等新設支援事業補助金や産学共同研究事業等補助金、紫波町の事業所立地奨励金なども含まれている。ただ、同市によると、4月に新設した被災企業工場等新設支援事業補助金は、まだ該当企業がない。産学共同研究事業等補助金も今年度、採択された1社は研究主体の企業で、すぐに雇用創出に結びつく状況ではないとしている。

  県によると、申請が低調な理由として、「11年11月21日以降の雇い入れ」に限定していることや、グループ補助金の助成が決まっても新規に人を雇う段階まで事業が進展していないことなどが考えられるという。要件の緩和で、補助制度を申請できる対象企業は、確実に増えることから制度の周知に、さらに力を入れる。中小企業の事業主から相談を受ける機会が多い、商工会議所の指導員らにも協力を呼び掛ける。

  県の雇用対策・労働室の高橋宏弥特命参事兼雇用対策課長は「内陸部の活性化なしに、沿岸部の復興もあり得ない。内陸部でも利用できる補助制度であることの周知を図り、雇用創出につなげたい」と話す。

  問い合わせは、県事業復興型雇用創出助成金事務センター(電話601―5263)または県雇用対策・労働室(電話629―5588)へ。


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