盛岡タイムス Web News 2012年 6月 8日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉102 草野悟 思索呼ぶ早朝の閉伊川

     
   
     

 宮古のわが家から100bほど歩きますと、閉伊川のJR山田線の鉄橋につきます。昨夜、風呂に入って何気なくお腹をつまみますと、ステーキ10枚分くらいの贅(ぜい)肉がしっかりと両手に挟みこまれました。「こ、これは、噂のメタボか、」と目まいがしてきました。ということで、早速、翌朝の「メタボスッキリ夏用大作戦」、2`以上の散歩となった次第です。

  鏡のような美しい閉伊川は、対岸の景色を逆さまに映し、シラサギやアオサギ、カワウ、ウミネコたちが忙しそうに上流に向かって大移動です。アシの葉陰からは、ギャーギャー、ギャシャギャシャとオオヨシキリが叫び、何とも騒々しい朝です。

  閉伊川の鉄橋は、橋げただけが残り、大震災の面影を残しています。山田の友人の高校生になる長男が、宮古の高校に通うのがバスなのでつらいと言っていました。毎朝、当たり前に乗っていた鉄道が、こんなに大事だったと気付いたと、ぽつりと一言。

  鉄道は単なる移動手段ではありません。そこに自分の歴史が刻まれます。何年後か郷里に戻った時に乗る列車に、自分の帰る場所を見つけたりします。閉伊川の鉄橋も同じです。鳥たちも同じ時間に鉄橋を走って来る電車を待ちわびています。

  被災地の復旧、復興の工事が急ピッチで進んでいます。どんなところが直ると、気持ちが落ち着くのか、住民の皆様の心情を考えた復旧こそ、自然とともに暮らしてきた住民の皆さんの気持ちかなと、考えながらの散歩でした。でも、2`歩いただけでメタボ解消、って、とっても甘いことにも気づきました。
  (岩手県中核観光コーディネーター)


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