盛岡タイムス Web News 2012年 6月 17日 (日)

       

■  〈ジジからの絵手紙〉13 菅森幸一 ラジオは娯楽の王様

     
   
     

 報道統制で空襲の警報ぐらいしか放送しなかったラジオが突然いろいろな番組を始め、ジジたちは暇さえあればラジオにしがみつくようになった。

  クラシックから民謡まで雑多に流れる音楽の中から、次第に自分の好みを選択する余裕も出た。「證城寺の狸囃子」のメロディーで始まる英会話教室のテーマ曲は初めて聞く英語の歌で、ものすごく新鮮に感じたものだった。

  映画「そよかぜ」の主題歌「りんごの唄」が全国を風靡するや歌謡曲の魔力にもとりつかれ、次々と生まれる新曲を先を争うように覚えようとしたもんだ。

  ラジオに夢中になっていても手は動かせるだろうと、いろんな用事を親は言い付ける。今までは適当な口実をつけて逃げまわっていたジジたちもラジオの前ではそうも行かず、石臼で麦やそばの実をひいたり、刻みタバコの葉を紙で巻いて巻きタバコを作って父さんにサービスしたりとやる事は結構あったんだ。

  しかし、戦災孤児がたくましく生きて行くラジオドラマ「鐘の鳴る丘」が始まる時刻になると皆の手が申し合わせた様に止まり、こっぴどくどやされたものだ。



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