盛岡タイムス Web News 2012年 6月 19日 (火)

       

■ 〈詩人のポスト〉 糠塚玲 杉の木


どのくらいの間
見つめていた事になるのか

歩くのもおぼつかない幼児は
立ち止まれば見つめ
学校からの帰る途中
子供の心を背伸びさせ
成人して働くとき
仕事の後、振り返れば
大きくなった姿で現れ
雨も風も受けて
なお、たくさんの時間を集めて
その形
人の一生を優に超えて
内部には常に刻み続けてきた記録があり
何も変わらぬようでいて
惹きつけている高さ
更に天を目指す意欲
触れるとずっしり穏やかな太り具合
ひたすら杉の木になろうと念じてきた世界

人は
私は
生まれてきて何になろうとしてきたのだろう




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