盛岡タイムス Web News 2012年 6月 22日 (金)

       

■  〈野村胡堂育んだ書簡群〉81 八重嶋勲 何日頃御出京仁矢?

 ■111はがき 明治三十六年一月一日付

宛 (岩手県紫波郡彦部村大字大巻) 野村長一様
発 東京市小石川 白 蘋 (石川 一)

明計満志天御目出度宇御座以満須。
先日者御端書難有。
何日頃御出京仁矢?
丗六年一月一日
               東京 白蘋
野村長一様

【解説】石川白蘋からの年賀状。万葉仮名を使っている。長一は、冬休みで岩手に帰省しているらしい。何日頃帰ってくるのかと待ち望んでいるようである。啄木18歳、上京中。胡堂22歳、浪人。

  ■112はがき 明治三十六年一月一日付

宛 紫波郡彦部村大巻 野村長一様
発 盛岡市 内田秋皎

恭賀新年 
我春の雑煮も山家日記哉
読めずヒョクレず、つまらぬ休みに候
元旦 内丸 秋皎生

【解説】内田秋皎は、本名直、明治19年7月24日、東京麹町生まれ。盛岡中学に入学。原抱琴・岩動露子らの影響で俳句を始め、杜陵吟社の三秀才。石川啄木と親しく交友。東京外語卒業。博文館勤務後、母校盛岡中学で教壇に立つ。大正3年11月17日、死去、享年29歳。

  ■113はがき 明治三十六年一月一日付

宛 紫波郡彦部村 野村長一様
発 盛岡市大澤川原小路 金田一京助

謹賀新年
  三十六年正月元旦
      盛岡市大澤川原小路
              金田一京助

【解説】金田一京助は、明治15年5月5日、盛岡市四ツ家町生まれ。胡堂と同年である。アイヌ「ユーカラ」で文学博士恩賜賞。昭和29年、文化勲章、昭和34年に、盛岡市名誉市民。昭和46年11月14日衰老で死去、享年89歳。




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