盛岡タイムス Web News 2012年 6月 25日 (月)

       

■ 250年経た土壁修復 曲がり家武田家住宅

     
  大きく泥をまとめて土壁塗りをするボランティアたち  
  大きく泥をまとめて土壁塗りをするボランティアたち
 

 紫波町指定文化財の南部曲がり家「武田家住宅」の馬屋と土塀の修復作業が24日から始まった。武田家住宅は、東日本大震災津波により土壁の一部が崩れ、老朽化していたこともあり修復を必要としていた。武田家住宅を守る会が中心となって、しわ土壁プロジェクト運営協議会(泉館重雄会長)を組織し、県の補助を受けて修復する。初日参加した約40人は、泥まみれになりながら土を塗り重ねていた。武田家18代目の武田之成(ゆきなり)さん(79)によると、土壁の修復は明和3(1766)年に建てられて以来、約250年を経過して初めてという。

  武田家は藩政時代に山守、用水の管理、代々肝いりを出し、明治維新後も水分村の村長を出している。同家の住宅は母屋が明和3年、馬屋が翌年の建設。母屋の面積は約350平方b。県内でも民家として指折りの古さ。住宅として居住している点でも注目されている。

  作業に先立って老朽化した壁の除去、骨組みの補修作業が1週間前に行われた。土壁の材料は解体した旧家の土壁を譲り受け、わらと水を加えてこねたものを使用した。

  24日は馬屋の裏側の壁塗り作業が行われた。泥状になった土を手押し車に乗せて馬屋に運び、大きな団子にまとめる、受け取って塗り込める、馬屋の外側でははみ出した土壁を平らにするなど作業を分担した。泥まみれになることも気にせず、夢中になって作業。塗り上げた壁を地元の左官職人の手で、きれいに仕上げていった。

  壁塗り体験をした赤石小2年の武田彩花さん(7)、日詰幼稚園年中組の萌花ちゃん(4)姉妹は「泥の感じが気持ちいい」と話して、楽しそうに塗っていた。年輩の参加者たちから「きょうの体験をいつまでも覚えていて伝えてほしい」と声を掛けられていた。

  内壁塗りには24、25日の2日間かかるとみられていたが、大勢の人が参加したため1日で終えた。同プロジェクトの泉館会長は「250年前に建てられた当時に修復され、この姿をいつまでも残していきたい」と満足そう。

  武田さんは「昨年の震災で一部崩れたこともあるが、もともと老朽化していて改修は必要だと思っていた。これだけの人に手伝ってもらいありがたい。土壁は夏涼しく、冬暖かくて本当に良い」と話していた。

  しわ土壁プロジェクトでは約1カ月間自然乾燥させてから、馬屋の表側と土塀の作業を7月21、22日に行う予定。



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