盛岡タイムス Web News 2012年 6月 26日 (火)

       

■ 高齢化、生産人口減深刻に 20年後の盛岡広域市町村

     
   
     

 県立大学大学院の研究によると、約20年後の2030年に盛岡市は65歳以上の老年人口が10年比132%に達する。総人口自体は13%、生産年齢人口(15歳から64歳まで)は22%それぞれ減少する。盛岡広域では矢巾町や滝沢村で総人口が増加する一方、老年人口が盛岡を上回る179%、162%まで上昇する。八幡平市や雫石町、岩手町は生産人口が6割台に落ち込む。今後老朽化した公共施設の維持管理で必要になる財源の一層の枯渇が懸念される。

  同大学院の上森貞行盛岡市財政部資産管理活用事務局主任が23日の公共政策研究会「公共施設の老朽化問題」で発表した。国立社会保障・人口問題研究所の推計(08年)を基に計算。広域7市町村別の総人口、年少人口(14歳まで)、生産年齢人口、老年人口の推計値をはじきだした。

  それによると、2030年の総人口は矢巾町と滝沢村を除いて100%を割り72%〜91%となる。岩手町は最も減少幅が大きく、紫波町が最も小さい。盛岡市は87・8%。

  生産人口は62%〜94%。矢巾町が9割台を維持しているが、滝沢村と紫波町が8割台、盛岡市は77%と見込まれる。一方で老年人口は岩手町を除いて軒並み100%を超える。紫波町が128%、雫石町が110%、八幡平市が104%。

  矢巾町と滝沢村は総人口、生産人口とも他市町に比べて極端に減少しない。しかし老年人口が圧倒的に増える。上森主任は団塊世代がベッドタウン化した両町村に居住したためと分析。税収減による生産人口の負担増が見込まれる。

  県や市町村では老朽化した公共施設の耐用年数が今後、一気に到来する。人口減少、少子高齢化と生産年齢人口の減少により、このままだと厳しい財政に一層拍車がかかる。

  上森主任が国交省監修で財団法人発行の「建築物のライフサイクルコスト」(05年)を基に試算した結果、施設建物のライフサイクルコストは当初の建設費が25%に対して計画修繕費が35%に達する。維持費も23%を占める。国の補助事業などで建設するよりも延命化、維持管理する費用が上回る。

  高度経済成長期に全国でほぼ同時に公共施設が建設され、老朽化に伴う施設の更新時期も一斉に到来する。自治体財政は建設当時より縮小し、人口減少・少子高齢化に伴う税収減と二重、三重の厳しさに今後直面する。

  こうした中、アセットマネジメント(施設の維持管理)が全国的に進められている。盛岡市も今年度同事務局を設置し、上森主任の研究成果を踏まえ、検討に着手している。

  公共施設の維持管理には、長寿命化と総量縮小(統廃合)、効率的運営などの手法がある。所管部署の施設を一元化し、建物の性能や利用実態、コストを基に評価し、在り方を見直す。仮に施設を廃止する場合、先進地では住民の反対運動が起きており、住民・地域との合意形成をいかに図るかも含め課題は山積している。
 


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