盛岡タイムス Web News 2012年 6月 26日 (火)

       

■ 〈大連通信〉21 南部駒蔵 中医と西医

 中国には古くから医学、薬学の伝統がある。今の中国ではどうなっているのだろうか。それに関してK君から興味深い話を聞いた。

  中国には中医の大学と西医の大学がある。中医の大学の方が授業も厳しく、卒業も難しい。医師の給与は一番高いが、中でも中医の経験豊富な医師の給与が高い。

  病院は中医の病院はずっと少ない。しかし、例えば風邪を引いた時、最初に行くのは中医の方で、中医の病院に行くと生薬を渡される。

  生薬は少なくとも12時間、場合によっては2日間、煮込んで黒くなった汁を飲む。(テレビでは盛んに風邪薬の宣伝をしているから、こちらを利用している人の方が増えているのではないか。これはK君の家の病院選びを述べたものかもしれない)国立の病院で治らなかった病気を中医の医師が治したという話もよく聞いた。

  テレビのコマーシャルで病院の宣伝を盛んにしているが皆、私立の病院で国立の病院に比べて腕が良くない。私立の病院は国立に比べて高く、金もうけに走っている。私立の病院は貧しい農民をだます。多くの大連市民は私立病院をあまり信じない。国立の病院は技術が優れているが、その国立の病院で治せない病気を私立の病院では治せると宣伝している。私立の病院は性や出産にかかわる男性特有の病気、女性特有の病気を診ている病院が多い。

  中国人は健康診断や人間ドックなど好きでない。結果が分かるまで不安があるから。それより自分が健康だと考えているほうが良い。

  K君の意見は大連の教養ある裕福な市民を代表する意見かもしれないが、中国では中医の伝統が日本よりずっと強く市民生活に根を下ろしていることが感じられた。また病院を通して中国の社会を少しのぞき見る思いがした。

  金もうけ したき医療のはびこりて 貧しき農民 食い物にする

  【補足】上記の文章を読んだ私の家庭教師(中国人)いわく、「中国人が健康診断や人間ドックを受けるのが好きでないというのはうそで、高額のお金がかかるため受けられないのだ。貧しい人たちはたとえ病気であっても、家族に迷惑をかけたくなくて病院に行かないこともある。お金持ちの自営業の人や公務員がそれらを多く利用している。中国では医療費と教育費と住宅費、この3つがお金が特にかかる」と。
  (元岩手医大教授) 


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