盛岡タイムス Web News 2012年 6月 28日 (木)

       

■ 消費増税 経営や家計の影響不安 景気の減退予測し対策望む

 消費税関連法案が26日衆院を通過した。消費税は現在の5%から2014年4月に8%、15年10月には10%にアップする内容の法案で、経営や家計に与える影響は大きい。盛岡市内の経済界は、増税前の駆け込み需要と、その後の消費の冷え込みを懸念する一方で、国の財政再建のため増税やむなしとの声も。市民からは政局の陰に財政や社会保障の問題が埋没しないよう、開かれた国会論議を求める声が聞かれた。

  ■経営者らの反応

  盛岡市東安庭の佐藤幸夫シリウス社長は「日本の将来を考えれば、一定程度の消費税増は必要」と法案成立に賛成。その上で「住宅産業は増税で駆け込み需要が発生する。問題は、その後の大幅な減少で、景気が冷え込むこと。関連産業も含め中小規模の企業へは大打撃。住宅取得時の税負担軽減策を考えてもらいたい」と注文を付けた。

  同市菜園の川村宗生川徳社長は、「法案が成立する流れは、現実として受け止めるが、8%、10%と段階的にアップする消費税の地域経済への影響は避けられない。1997年に3%から5%にアップしたとき、確かに駆け込み需要が発生した。その後は激減し、デフレとなった。今回もそのような傾向になりそうだ。当社としても対応を検討する」と厳しい見方を示した。

  同市中ノ橋通の馬場暁彦東家社長は「仕方のないこと。仕入れ商品などの価格が上がることが懸念される。消費税は2014年度に8%アップだが、どのように経営するか考えないと。ニューヨーク州では、消費税は8%台だが、衣食住関連商品は無税。そのような措置を講じてもらいたい」と唱える。

  安保博夫盛岡市肴町商店街振興組事務局長は「社会保障費などのために増税は分かるが、今はやる時期ではないだろう。地域の商業は部分的には明るさもあるが、まだまだデフレの状態。増税でさらなるデフレにならないかと心配」と話していた。

  ■市民の反応

  盛岡市の大通商店街や肴町商店街で、消費税増税に対する市民の声を聞いた。

  同市の自営業の藤原妙子さん(72)は「消費税の値上げには反対。商売をやっていると何でも上がる。商品が上がればお客さんが減り、売り上げが減る。私は3%から5%に上がるとき、値段を上げたくなかった。我慢していたが、どうしても上げざるを得なかったので、お客さんに協力してもらった。皆、反対ではないのか」と話した。

  同市の会社員の廣田博さん(59)は「増税はやむを得ないとしても、現在はその時期でない。あと3年ほどで震災の復興の道筋が付くと思うので、5年ほど先で良かったのではないか」と話した。

  紫波町の主婦の生内喜久恵さん(43)は「そんなに早く決めなくてもよかったのでは。小沢さんの報道に隠れて、消費税そのものの報道が少なく、さらっと決められてしまったような不安感がある。消費税を3%から5%に上げるときも同じような議論だった。今度も私たちのときは10%までで収まったとして、子どもたちの時代にはそれで収まらず、15%くらいにならないか心配」と話した。

  同町の学生の藤沼幸歩さん(25)は「どちらとも言えない。まだ自分できちんと税金を払っているわけではないので、どれくらいの負担が出てくるのか実感がわかない。消費税を納めた分が自分たちの社会保障に回るならそれほど悪いことではない」と話した。

  奥州市の会社員の氏家千春さん(25)は「消費税を上げるのは賛成。このままでは国の信用がなくなるので、仕方ないのではないか。自分の国の中で借金しているうちはいいが、海外からの信用が一番大事。消費税率は他の国に比べてまだ低いのだから」と話した。


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