盛岡タイムス Web News 2012年 7月 27日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉108 草野悟 宮古湾のアナゴ白焼き

     
   
     

 大好きなウナギが高騰し、中国産でも1000円以上。国産となるとすでに2000円を超えています。困ったものです。私の小さい時には、いわき市の久ノ浜というところの河口で、バケツに一つくらいシラスがとれました。あんまり小さいのでどうして食べていいか、全部かき揚げ(たぶん天ぷら)にしてもらった記憶があります。大きなウナギもたくさん獲れた時代でした。

  仕事の関係で全国あちこち出張しました。思い出すのは、岡山の「アナゴの白焼き」です。居酒屋のあちこちにアナゴの白焼きがぶら下がっており、店に入ると「へいい、おやじ2本ね」と言って、あぶってもらい、ワサビしょうゆで食べますと、これまたビールが一段とうまくなります。瀬戸内海のアナゴは、親指大のものが上等とされています。大きなアナゴは「化け」と言って価値が下がります。

  夏になると、よくアナゴ釣りをしました。1b近い巨大な黒アナゴを狙います。岩手ではアナゴは大小関係なく、グラムで売っています。ですから大きなものは高くなります。

  先日、米沢の友人たちを案内して、宮古の魚菜市場に行きました。そこで適当な大きさのアナゴを買い、自宅で白焼きをつくった写真です。丁寧に串を刺し、中火でじっくりと焼き上げました。初夏のアナゴの脂が時折ジュワーっと焦げて煙があがります。串を抜いて皿に盛り、高級ワサビ(チューブ)をじかにつけ、しょうゆを少しつけて口に運びます。上品で初夏の爽やかな白身の甘さが、のどから胃袋へといっぱいに広がります。ビールをグビッと一飲み、また一切れ口へ運びます。

  ウナギなんて目じゃねえ、と焼き方、味、盛り付けに自画自賛し、うっとりと一人食事を楽しみました。やはり夏はウナギじゃなく、アナゴです。安いし、おいしいし、言うことありません。しめて500円、大満足。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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