盛岡タイムス Web News 2012年 8月  7日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉154 及川彩子 メガネ天国

     
   
     
  娘たちのメガネを新調するため、知人で検眼士のルカの店を訪れました〔写真〕。アジアゴの街の目抜き通りに構えた店には、色とりどりのフレーム、おしゃれなデザインがズラリ。特に今はバカンスシーズンとあって、サングラスを求めるお客が絶えません。

  イタリア人の必需品は「サングラス」と言っても過言でないほど、みなサングラス好き。ファッションだけでなく、欧米人の茶や青の瞳は、黒い瞳に比べて、メラニン色素が少なく、光をよりまぶしく感じるのだそうです。

  昨年は、光の強さで濃さの変わるレンズが流行しましたが、紫外線をカットする車のフロントガラスでは反応が鈍くなるので、今年は、グラスの上部が濃く、下が薄いグラデーション付きが主流です。

  ルカによると、「デザインだけでなく、ガラス表面の微妙な凹凸で、目に光の入る位置がずれ、見難くなるので、確認することが大切」とか。

  メガネの発明は、13世紀の北イタリア。ガラスを磨いて凸レンズにし、鉄や木などの枠にはめた形が原型で、メガネ作りに貢献したのが、ベネチアのガラス職人。「一生を保障する」と言われたほどの繁盛で、それがヨーロッパ全土に広がり、書物を書き写す仕事の多い修道士や学識者に重宝がられたのです。

  発祥地の誇りか、世界のメガネ産業をリードするイタリア。色彩感と発色の良さを競うように開発する研究者との連携で、次々におしゃれなメガネが生まれているのです。

  この国のメガネは、医療器具というよりはモード産業の一部。老若男女が、着替えのようにメガネも買い換えるのですから、その需要もうなずけます。

  検眼のあと、娘たちの選んだフレームを慎重に調整するルカ。「メガネも、鏡で全身を見て選ぶこと。メガネは、掛け心地だけでなく、その人の価値観、情熱の象徴だからね」と、イタリア人らしい言葉が返ってきました。



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