盛岡タイムス Web News 2012年 8月  10日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉110 草野悟 三陸博20周年の集いと友情 

     
   
     
  三陸博覧会から20年もたっているのに、仲間の友情はとても強いものがあります。先日、20周年の記念の集まりをしました。70名を超える関係者が集まりました。当時のコンパニオンの方たちも多数集まりました。沿岸に住んでいる仲間が多かったせいか、深刻な被災を受けた人も多数です。家族を亡くした人、家もなにもかも無くなった人、仕事も無くなった人、それでも集まってくれました。皆、尊敬し慕っている当時の事務局長、神田隆さんは、震災直後、仲間の安否を確認するため、物資を車に積んで回ってくれました。私たちも仲間の安否を連携して調べました。どうしても連絡のつかなかった人がいました。「もうだめなのかもしれない」と、仲間内でささやきました。6カ月を過ぎてから、県職員の仲間から「見つかった。釜石の仮設にいる」との吉報でした。すぐに教えてもらった携帯に電話をしました。涙が止まりませんでした。その方が写真の「山崎 太美男」さんです。通称タミさんです。釜石市役所の建設部長を務め、家は全壊した両石です。震災の日、墓参りをしていました。地震のあと急いで家に戻り奥さんと一緒に逃げ、数分後巨大な津波が町を飲み込みました。まさに危機一髪だったようです。20周年の壇上で、当時のこと、そして今までのこと、つらかった日々を思い出して報告してくれました。友人知人、親戚を亡くし、いまなお生きていることを喜べないでいます。古希を迎え、足が不自由になっています。それでも釜石の仮設住宅から来てくれました。「次は25周年だね、生きててよ」と仲間たちと固い握手。被災した人たちの「心の復旧」はまだまだです。
(岩手県中核観光コーディネーター)



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