盛岡タイムス Web News 2012年 8月  11日 (土)

       

■  6割が不安で体長崩す 盛岡市の内陸避難者調査  

 盛岡市が東日本大震災津波の内陸避難者を対象に実施した調査によると、「盛岡は住みやすい」と答えたのは全体の83%に上った。一方で近所との交流については53%が「(ほとんど)ない」と回答。震災後に精神的不安で体調を崩したのは6割を超えた。生計を立てるため貯蓄を取り崩す避難者もいた。11日で震災津波から1年5カ月が経過し、支援ニーズや新たな課題も浮上。被災者の自立支援や職員派遣など、県都がするべき復興支援が改めて問われている。

  ■盛岡に住む36%に対し沿岸に住む17%
  調査は7月に市内の「みなし仮設住宅」入居中の548世帯へ実施。約54%の295世帯が回答した。60歳以上が5割を占め、仕事をしていない回答者は57%いた。世帯人数は2人41%、1人28%、3人18%など。

  住みやすい理由は「街に必要なものがそろっている」「仕事が多い」「近所の人に優しくしてもらっている」「津波の心配がない」など。回答者の47%は近所づきあいが「(たまに)ある」と答えた。

  逆に住みにくい理由は9%で寒さや凍結、雪かきのほか「田舎づきあいがなく冷たさを感じる」「浜風が懐かしい」など。

  今後の住まいについては「決めてない」40%に次いで盛岡で住宅再建や賃貸住宅に入居が計36%。一方で沿岸に戻って住宅再建や賃貸住宅入居を希望するのは17%にとどまった。「子どもが卒業するまで盛岡で、その後は地元に戻りたい」との意見もあった。

  震災後の収入の変化については「減った」66%、「変化なし」26%、「増えた」8%。生計を維持する方法(複数回答)として年金が119件、貯蓄の取り崩しが65件あった。

  盛岡へ避難後の健康状態は「変化なし」が51%で、「悪くなった」32%、「良くなった」17%。生活上の困りごとや心配事の相談相手(複数回答)は別居中の家族・親類、同居の家族、友人の順。「特にいない」は回答数全体の1割もあった。

  困りごとや盛岡での生活に関する自由意見では住宅や仕事への不安、「毎月11日が近づくと精神的に不安定な様子を見せる」と子どもの健康を気づかう声が寄せられた。

  ■仕事と情報交換へ産直市設置を
  調査の内容は9日、市が設置した被災者支援に取り組む有識者らのアドバイザー会議(座長・広田純一岩手大教授、5人)で説明された。委員は県都として今後の復興支援について意見交換した。

  広田座長は「支援の在り方が難しくなっている。今必要なのは自助。復興交付金が事業化される中、行政主導のため被災者、コミュニティーとの間にすきま風が吹いている。まちづくりの大きな転機を迎えている」と主張。技術職員の派遣継続、盛岡に高齢者向け復興公営住宅のモデルハウス建設を薦めた。

  下玉利元一委員は「最初は悲しみばかりだったが、地元も楽しみ出している。ボランティアではないバスツアーを一番リピーターになるべき内陸の県民がもっとするべき。そのための観光情報の発信が必要」と提案した。

  調査の自由意見に寄せられた、内陸避難者が仕事のできる産直市設置を支持し「沿岸との情報交換の場が必要」と述べた。

  谷藤裕明市長は「商売にプラスして交流の場につながるのは良いこと。開催時期や場所などをどうするか」などと説明。支援とのミスマッチがないよう釜石市から沿岸市町村ニーズのとりまとめと報告を待っていることなども紹介した。




本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします