盛岡タイムス Web News 2012年 8月  11日 (土)

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉313 星の輝き  

 真夏の暑さは、その昔、太陽と一緒に上ってくるおおいぬ座の主星シリウスによるものだと考えられていました。シリウスとは「焼き焦がすもの」という意味です。冬の夜空にぎらぎらと輝くシリウスの異様な明るさを見ると、昔の人々がそう思ったのも分かるような気がします。

  シリウスはご存じのように冬の代表的な星で、オリオン座のベテルギユウス、こいぬ座のプロキオンとともに冬の大三角を作っています。

  今の季節では夜空には、天頂付近にこと座のベガとわし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが作る夏の大三角を目にしますが、夜明けを迎えるころ、こうした冬の星座や星々が東の空に顔を出してきます。

  ところで星の輝きにはさまざまなものがあります。星の大きさや重さ、私たちからの距離、表面温度などによって明るさや色の違いが生じます。

  中には変光星といって明るさが変わる星もあります。星も人と同じように、誕生と死があります。年とった星は多くの場合、膨らんできて表面の温度が下がり、そのため赤くなってきます。

  反対に生まれたての星や若い星は表面温度が高く、青白い色をしています。夜空を見上げたときに、こうした目で見れば興味も深まります。

  ちなみに太陽は年齢的には中年の星で、もし遠くから眺めることができれば、黄白色の星として見えると考えられています。太陽に似た星にぎょしゃ座のカペラという星があります。オリオンよりも先に上ってくる星ですから、一度ご覧になってください。

  変光星にもさまざまな種類があるのですが、もし太陽が極端に明るさの変わる星であったなら、人間はたまったものではありません。いや、その前に地球上に生まれることさえできなかったかもしれません。

  しかし、太陽は比較的安定した輝きを保っています。ただ、その太陽もここ数年前から微妙な変化が現れています。懸念されるのは歴史上何度か訪れた小氷河期がもたらされるかもしれない、ということです。

  天文学者だけでなく、未来を担う子どもたちにはこうした太陽の活動に関心を持ってほしいものです。それには大人たちが真っ先に環境を整えてあげることが不可欠です。

  シリウスの輝きはもちろん、私たちの太陽や夜空に見えるすべての恒星が核融合反応によって光輝いていることを、かつて天文学者がつきとめました。このことを利用して、核兵器や原子力発電を作り出すことになった人類ですが、刹那的ともいえるこうした人類の選択は、果たして未来を摘み取ることになりはしないか。今、多くの人たちがこう考え始めています。

  星によって生み出された人間が、その母なる大自然の領域に手を下したことで、どういう結末を迎えることになるのでしょう。
(盛岡天文同好会会員)



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