盛岡タイムス Web News 2012年 8月 17日 (金)

       

■  川面染める舟っこ流し 13隻が先祖送り


     
  川面を焦がし、燃え盛る竜頭舟(写真は仙北一丁目第一町内会)  
  川面を焦がし、燃え盛る竜頭舟(写真は仙北一丁目第一町内会)
 
  盛岡市指定無形民俗文化財「盛岡舟っこ流し」(同協賛会主催)は16日夕、明治橋上流の北上川両岸で行われた。地元町内会・団体の13隻が流舟し、火がともされ、川面を赤く染めた。藩政時代から約280年続く伝統ある盛岡の送り盆行事。訪れた市民らは先祖や東日本大震災津波の犠牲者の供養にと手を合わせ、盛岡の過ぎゆく夏を惜しんだ。

  同日は午前から雨が断続的に降り続く空模様。午後4時半から式典、祇陀寺による法要が営まれた。その後夕日が差したり、小雨になったりする中、流舟が行われた。駒形自治会を皮切りに、川に入った舟っこに火がともされ、勢いよく燃え盛った。夕闇迫る川面を焦がした。

  佐藤修同協賛会長は式辞で「舟っこ流しはお盆行事として長年親しまれた盛岡の名物。そして、決して忘れてはならない震災津波。沿岸では壊滅的な被害で多くの尊い命が失われた。心よりお見舞いし、冥福を祈る」と述べた。

  今年も震災津波犠牲者をとむらう戒名を無料で募集。約530人分が寄せられた。兵庫県丹波市氷上町の鷲住寺(じゅうじゅうじ)から託された写経約500枚は南仙北二・三丁目町内会の舟っこに載せ、供養された。
     
  舟っこが集結する中で営まれた法要(明治橋上流右岸で)  
  舟っこが集結する中で営まれた法要(明治橋上流右岸で)  

  名誉会長の谷藤裕明盛岡市長は祝辞で「日暮れの夕闇迫る川面を焦がし、幽玄に流れる姿は盛岡の夏の夕べを彩る風物詩として定着している。盛岡の誇るべき歴史、文化などを県内外に広く発信していきたい」と誓った。

  仙北一丁目第一町内会の舟っこは7番手に流舟。昔の竜頭舟を可能な限り忠実に再現。会場で紹介した仙北一丁目子ども会会長の松嶋祥稀君(仙北小6年)は「子ども会では毎年舟っこ用に折り鶴を一人30羽折っている。ご先祖様に会ったことはないけど、毎年来てくれて守られている感じがする」と、地域の伝統行事を継承する大切さを実感していた。

  会場では灯ろう流し、投げ松明(たいまつ)のほか3千発の花火も打ち上げられた。




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