盛岡タイムス Web News 2012年 8月 24日 (金)

       

■ 〈学友たちの手紙〉90 八重嶋勲 今後はこれきりそんなら頼む

 ■123はがき 明治三十六年二月十四日付

宛 東京麹町区飯田町四丁目三十一番地 日松舘 野村長一様 
発 気仙吉浜村根小 宮川慶吉拝

其後サツパリ音信ナキハ如何ニ、扨て小生も益々壮建、君其後如何ニ候ヤ、次きニ耒ル三月一日第一補充教育召集トシテ、愈々入営スル事ニ相成、当地モ耒ル廿日限、退去ノ見込故、以後家へ御遣し被下度、何レ余ハ午便ニ申上候、

 【解説】宮川慶吉は、盛岡中学明治三十五年卒業、長一と同学年。同窓生名簿では、本籍盛岡市材木町三十七となっている。どうしてこのはがきが気仙郡吉浜村根小(現在の大船渡市吉浜)からなのか。文面では、自宅のようである。

 ■124巻紙 明治三十六年二月十六日付

宛 東京麹町区飯田町四丁目三十一、日松舘内 野村長一様 親展
発 盛岡市八日町八十三、下閉伊郷友会自炊部の客座辰公より

先日は手紙を書いてから人に頼んで彼の誤證明書を取って来て貰ひ、其儘見もせず封入したので、つひ失策致しました、昨日君の手紙くるとすぐ行たけれど日曜日なれば皆退出して居らず、只今行って直させて来ました、御覧被下度候、
金の事ハ兄きにも云ひやり置き候筈なれバ、如何とか致すべく候、
愚僧の脳頭ハ厭世思想など、決してそんな気取ったやさしいものに非ず昔ハ昔、今後ハさような事ハなかるべくと存じ候、忠言多謝す、今後はこれきりそんなら頼む、
                             辰公
   勝公殿

【解説】人に頼んで取った証明書を確認せずに封入し、君に送ってしまった。取り直して送るのでよろしく、という手紙である。




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