盛岡タイムス Web News 2012年 8月 29日 (水)

       

■  野田の被災防潮林を燃料に 紫波がチップボイラー投入 がれき再利用で処理支援

     
  防潮林のチップが使用される予定のチップボイラー  
 
防潮林のチップが使用される予定のチップボイラー
 

 野田村の被災防潮林が紫波町内で資源として利用されることになった。再生利用に関する基本合意書の調印が29日、同村役場で行われる。自治体が有価でがれきを引き取る手法は県内初の試み。同村で津波により流された防潮林約9300本の一部(約1千本)をチップ化し、同町小屋敷のラ・フランス温泉館(村上秀紀支配人)のボイラー燃料として10月以降に利用を開始する予定。震災津波被災地のがれきの処理によって、復興の一助となることが期待される。

  同町と県は昨年末から、被災防潮林の再利用方法について協議を進め、8月中旬に手法を決定。従来、建築廃材やがれきの処理は、専門業者に費用を支払って行っていたが、町が県からがれきを買い取るという初の試みを行うことに決まった。紫波町議会6月会議で可決された一般補正予算で、被災防潮林再利用に関する30万円が計上されている。

  基本合意は両町村と県の三者で結ばれる。

  同町は29日の調印以降に、県とがれきの引き取り額を協議し、売買契約を締結して野田村にある被災防潮林の一部の約300dを買い取る。その後、木材をチップ化する業者を選定し、必要分量ごとにチップ化してラ・フランス温泉館に運搬する。主な利用方法は宿泊施設の暖房、給湯用の熱供給。場合により、温泉館の床暖房にも使用する。

  防潮林の原木は現在、野田村十府ケ浦の仮置場北側に仮置きしている。チップ化業者を選定後、放射線測定を経て搬出を開始する。業者選定は▽放射線測定の有無▽原木の買い値▽チップの売り値―の3要素で決定する。放射線測定は原木、チップ化後の2回行い、測定方法は自治体間で協議する。

  同町は木質バイオマスをはじめ、再生可能エネルギーの活用に積極的な取り組みを進めている。

  藤原孝町長は「内陸の市町村は、沿岸被災地のために支援をする必要がある。その観点から、津波の被害を受けた被災防潮林の一部について支援することができればと思っていた」と話している。


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